「エイダはジェフティを

アーマーンで自爆させる気なんだぞ!」

 

「誰がそんなことさせるか!

おいエイダ、絶対にさせないからな!」

 

「あなた、まるで自分のことみたいに心配して」

 

「自分のことなんだよ!」

 

 

 

 

はい、

というわけで、

前回に引き続き、

アヌビスZOEの話です。

 

上記のやりとりは、

アヌビスZOEの中でも

筆者が好きなシーンのひとつで、

作品世界を象徴するものでもあるなぁと

感じます。

 

 

 

軍事要塞アーマーンを破壊することが、

ジェフティ、そしてそこに搭載された

AIであるエイダの使命。

 

そのジェフティに乗るディンゴは

ジェフティを降りたら死んでしまう。

けれどジェフティを降りるためには

アーマーンを破壊しなければならない。

だがアーマーンに辿り着いたら

エイダはジェフティを自爆させてでも

アーマーンを破壊しようとしてしまう。

 

それが、エイダにプログラムされた

最重要任務であり、

エイダに言わせれば、

「これは私に与えられた存在する意義なのです」

と。

 

 

だからディンゴは考えます。

ただアーマーンに辿り着くだけではダメで、

戦いの経験を積みながら、

ジェフティをより強化するための

プログラムを手に入れる。

 

そして、ジェフティが

「自爆」

という方法を使わなくとも、

アーマーンを破壊することができるだけの

力を手に入れるしかない、と。

 

 

その戦いの中で、

だんだんとエイダとの間に生まれる絆。

 

ただ生きのびるため、

過去のしがらみから逃げるために

戦っていたディンゴが、

自分が生きるためだけでなく、

エイダを壊させないことに

戦う意味を見出してゆく。

 

そしてエイダも、

ただの戦闘支援AIだったのが、

パイロットと共に戦う

相棒のように振舞いはじめてゆく。

 

そんな距離感が、

たまらなく愛おしいのです。

 

それがアヌビスZOEの魅力です。

 

 

それに似た魅力が、

私たちの意志と、

私たちのからだ。

 

この両者の関係性の中にも

あるのではないかと思うのです。

 

 

 

 

からだの目的は、

自身に与えられた寿命というタイムリミットまで、

可能な限り生存を続けることです。

 

自律神経というシステムも、

ホメオスタシス(恒常性)というあり方も、

すべては上記の目的を達成するために、

からだに搭載された機能です。

 

 

からだの声を聞きなさい

からだに従えば間違えない

 

こういう健康理論がありますが、

まったくもって、

このとおりです。

 

からだは

「生存」

という能力においては、

私たち本人の小賢しい考えでは

想像もできないくらい

優秀な能力を発揮します。

 

なので、もしも身体的健康という

目的のみを語るのであれば、

からだの声を聞き、

からだの求めることに従えば、

私たちは必ず

「健康」

という状態を手に入れることができるでしょう。

 

 

 

しかし、

私たちが生きる理由は、

それではないはずです。

 

この世界が広大なゲームであるとするならば、

私たちプレーヤーがそのゲームを

遊んでいる理由は、

ただただ安全な街の中で

延々と時が過ぎるのを待ちながら、

寿命という制限時間を迎えることではないはずです。

 

 

恐ろしいモンスターが跋扈する

荒野に出て、

一歩間違えれば死ぬかもしれない

恐怖と背中合わせの冒険をして、

 

人を食らう悪のドラゴンを討伐するなり、

誰も見たことのない財宝を手に入れるなり、

魔王に捕らわれたお姫様を助けるなり、

 

なにかしらの目的を果たしたい、

と願っているはずです。

 

 

 

その目的達成のために、

私たちは「からだ」という相棒に乗り込み、

生存という役割をある程度からだに任せて、

私たちひとりひとりが、

それぞれに持つミッションやクエストを

達成していく。

 

それこそが、

この世界というゲームを遊ぶ

最大の理由です。

 

 

そして、

その目的をハッキリと掲げ、

「それでも共についてきてくれるか」

と、からだに問いかければ、

からだは必ずや、

私たちパイロットの意志を最優先して、

目的達成のための

作戦立案を手助けしてくれるでしょう。

 

それだけのスペックを、

からだは持ち合わせています。

 

 

 

最後に、繰り返しになりますが、

もう一度書きます。

 

からだは、超優秀なバイオアーマーです。

そして、そこに搭載されている

「エイダ」である自律神経は、

確実にからだのバランスを整え、

常に最良の状態であろうと努めてくれます。

 

なのでもし、

シンプルに

「健康」

を目指すのであれば、

まずはからだの意志を尊重してください。

 

その方法は、

「健康レベル1」

のブログで書いたとおりです。

 

 

そして健康レベル1を達成し、

健康レベル2や3、

もしくは、

自分の夢や理想のために

生きたいと願うのならば、

その願いをからだに伝えてください。

 

そうすれば、

必ずやからだは、

私たちの人生を最大限にサポートする

最強の味方となってくれるはずです。

 

 

 

「わかった

エイダ、楽にいこうぜ」