1988.11.3

親友の彼女に会いに行く

勿論… 親友と一緒に…

こういうのはキライじゃなかった


その彼女は遠くから通学している

オレが中免を持っていたので頼まれたが

あいにく…この頃オレのバイクは故障…

友人からヤマハの400を借りた


曇り空に時折晴れ間が見えていたが

朝まで雨が降っていたので肌寒い…

一路… 国道101を北上した…


親友は余程嬉しいのか

ウォークマンで曲を聞きながら歌う

イヤフォンで曲を聞きながら歌うと

自分の声が聞こえなくてかなり外れる

それを笑いながら聞きつつも

オレもヘタクソな歌を一緒に歌い

二人可笑しくてゲラゲラ笑い走ってた

そんな親友を見ていて俺まで楽しい


やがてとある駅に到着し

私服の親友彼女が現れる…

「こんな遠くまでよく来てくれて…ありがと」

笑う友人と彼女は嬉しそうだ


オレはお邪魔なので、暫くその辺を走っていた

海沿いのあまり知らない道

日本海から冷たい風が吹いていた

羨ましかった…

オレも好きな女のコいたし、こんな休日を過ごしてみたいと思ったりもした。海沿いにバイクを止め自販機で温かい珈琲を買い、タバコを吸った… 見慣れない風景を見ながら、好きな女のコのコトを考えていた


1時間過ぎてヤツラのトコロへ戻ると

まだ駅で楽しそうに話してる二人…



「寒いから私んちおいでよ…」

「オレも?いいの?」

「当たり前でしょ…乗せて来てくれたんだから」


海沿いにある親友の彼女の家に招待され

温かいコーヒーを入れて貰った

これがこのコの部屋か…

こんか感じなんだ…

学校での感じと違う…


ふう〜ん(笑)


3人で馬鹿話に花が咲き、コタツでずっと笑っていた。温かい部屋、女のコの匂い、楽しい会話。だけど…ちょっと切なかった…


時間になり外に出ると真っ暗

バイクのエンジンをかけライトを照らす

「今日はありがとう…気をつけて帰ってね」



次の日、学校の廊下で目が会う親友彼女

少し頭を下げ、目で「ありがとう」をされた


昨日と今日のギャップに

何か不思議なモノを感じた…