内科医の田村は、最近八人の男性患者が同じ症状で来院していることに気づいた。全員の手や額に、奇妙な赤い痣がある。
カルテを見返すと、全員が同じ悪夢を見ていた。森の奥の祠で、何かに呼ばれる夢。
九人目の患者・郵便局員の小林が来院した時、田村は真実に気づいた。この痣は印だ。そして自分も…
田村の左胸に、鈍い痛みが走った。シャツをめくると、血のような印が浮かんでいる。医師としての印、命を司る者の印。
「十番目…完成だ…」
診察室の電気が消え、八人の患者が現れた。全員の目が血のように赤く光っている。
「先生…私たちを治してください…森で…永遠に…」
翌朝、田村の机に最後の地図が置かれていた。十の道筋が一つの祠に向かって収束している。「十番目の癒し手、儀式の完成者」と血文字で書かれていた。