『長靴をはいた牡猫』 | さすらい人の徒然日記

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ティークの『長靴をはいた牡猫』(大畑末吉・訳、岩波文庫)を読了。

これは、ペローの童話『長靴をはいた猫』を戯曲化したものですが、
そう単純な作品ではなく、童話の中の登場人物たちのみならず、
台本作者や俳優、舞台を観てる客までもが登場するという構成。
つまり、「『長靴をはいた猫』を上演している舞台」を
戯曲として表した作品なわけです。

しかも、この作品、
全編に渡り、かなり強烈な風刺が満ちています。
コッツェブー、イフラントなど
当時の流行劇作家たちへの痛烈な批判を込めたセリフ、
訳知り顔で論評したり安易な感動を求めたりする
浅薄な観客らへの皮肉めいた描写、
そういうものがてんこもりです。
だから、童話的な要素を求めてこの本を読むと、
必ずや後悔することになるでしようね(苦笑)

そういや、フランク・ヴェデキントも「ルル二部作」で
ハウプトマンに対する皮肉をこめたセリフを登場させてたな。
劇作家というのは、自作品の中において
「嫌いな奴」を攻撃するのが好きなのだろうか?(笑)