やってきました

 

会社の強制参加シリーズ

 

大事な休みを

 

奪われるとんでもない

 

イベントです

 

 

上司から

 

この日フットサルやるから

 

予定あけといて

 

 

はぁ!って感じですよね

 

 

あけといてって

 

なんですかそれ!

 

 

普通参加できるかどうか

 

アンケート取ったりしないんですか?

 

 

 

まぁ

 

暇なんですけど

 

 

 

だからって

 

体を休める大事な日じゃ

ないですか

 

 

なんで疲れなきゃいけないんですか

 

 

それに

 

 

もしかしたら

 

その日に将来を誓い合うような

大切な人と出会う可能性がある

かもしれないじゃないですか

 

 

それなのに

 

あけといてって

 

軽すぎるんすよ

 

 

 

まぁ

 

暇なんですけど

 

 

そのフットサルで

 

会社の人と出会わないんですかって?

 

 

くるのは

 

くそb・・お姉さまと

 

彼氏持ち旦那持ちの方々ですよ

 

会社での出会いなんて

ありゃしない

 

 

どうなってるんですか

 

 

 

恋愛ドラマのような

出会い私も

社会人になる前は

思い描いてましたよ

 

でもね

 

甘い

 

甘すぎた

 

 

ドラマは

 

ドラマです

 

 

なんもありゃしない

 

 

悲しいもんです

 

 

 

 

会社で

 

お姉様方に

 

あんたフットサルなんて

 

できるの?

 

なんて、めちゃくちゃ

からかわれますし

 

おちょくられるし

 

嫌な感じです

 

 

 

もちろん

 

できませんよ

 

 

 

だから

 

行きたくないに

決まってるじゃないですか

 

 

強制なんですよ

 

全く

 

ハラスメントですよね

こんなの

 

 

イライラ

イライラ

 

そんなこんなで

 

 

 

フットサル当日ですよ

 

 

わざわざ

運動用の靴と服を

用意して

 

当日を迎えましたよ

 

 

上司と運動に自身のある人たちは

 

ノリノリです

 

私とテンションが大違い

 

 

絡まれないように

 

はじのほうで

携帯をいじって

やり過ごします

 

そして

 

酒を飲みだす

 

ガッハッハっは

なんて

漫画のような笑い声を

発しながら

 

意気揚々と

グランドに向かいます

 

 

その姿を後ろから見て

 

ため息しか出ません

 

チーム分けをして

 

ゲームを始めます

 

 

上司とは違うチームになりました

 

 

ここで

私は

悪知恵を思いつきます

 

 

下手と思われてるなら

ボールを上司に思いっきし

蹴っても

 

狙ってるとは思われないんではないか・・

 

やれる

 

これは

 

やれるぞ

 

 

普段の鬱憤を

全力で返せる・・

 

口元がにやけます

 

我ながらいいアイディア

 

私も悪よの〜〜

 

 

目的を達すべく

上司の近くにいるようにします

 

 

 

しかし

 

 

そう簡単にうまく行きません

 

下手なので

 

ボールが回ってこない

 

 

なんなら

 

後ろに下がれと

言われる始末

 

 

ぐぬぬ!!

 

仕方ないチャンスを伺おう

 

いつか

 

必ず

 

チャンスが来るはず

 

 

静かにその時を

待つことにしました

 

 

試合は前半後半

 

5ふんずつ

 

 

できる人たちが

ボールを触り

 

私なんかには

回ってきません

 

 

 

いる意味あるのか?と

思う時がありますが

 

私には

目的があるので

 

その時まで

大人しくしています

 

 

 

前半が終了し

少し休憩をとったら

すぐに始まります

 

 

5分でも

結構疲れるもんですね

 

ボールに触らず

ちょっと走っただけでも

 

呼吸が乱れてきます

 

 

後半がスタート

 

さぁ

上司よ

 

後半に決めさせてもらうぜ

 

渾身の一撃を

ぶち込んでやる

 

 

初めは同じような展開で

できる人たちが

ボールを回して

 

ゲームを進めて行きます

 

 

しかし

 

流石に空気を読んで

 

他の人たちにも

ボールを回し始めました

 

よし

 

これは来る

 

 

回って来るぞ

 

私は

 

静かに

 

上司の近くに

向かいます

 

 

やってやるぜ

 

 

寄っていくと

 

上司が

 

お前できんのか?

 

やれのか?

 

 

みたいに

 

煽ってきいます

 

 

 

私は心の中で

 

やりますよ

 

やってやりますよ

 

そのために

 

あなたの近くにやってきたんですから

 

 

 

 

顔のにやけが止まりません

 

 

そして

 

その時は

 

やってきました

 

 

 

おい、行ったぞ

 

 

先輩から

 

ボールが回ってきた

 

 

きた

 

きたぞ

 

 

チャンスがやってきた

 

 

横目で上司の場所を確認

 

転がって来る

 

 

ボールにタイミングを合わせる

 

 

うおおおおおおお!

 

キャプテン翼の

日向小次郎なみの

タイガーショットを

 

 

上司に

 

打ち込む

 

でああああああああ

 

 

バクン!!

 

蹴った瞬間

 

痛みが

走った

 

 

うおおおおお

 

 

そう

 

 

地面を蹴った

 

思いっきし

 

 

 

そして

 

 

私は

 

その場に倒れる

 

 

痛いよおおおおお

 

痛すぎるーーー

 

やってもタァ

 

 

 

やってもうたよぉ

 

 

 

皆楽しそうに

笑っている

 

 

クソォ

 

なんでなんだよぉ

 

 

どうしてなんだよぉ

 

 

私は

 

思った

 

 

悪いことはできない、と

 

 

そして

ベンチへ向かう

 

 

故障者リストに登録された私は

 

その日試合に出ることはなかった

 

 

帰り際

 

みんな、大丈夫かと

心配してくれた

 

 

上司も気をつけて帰れよと

 

優しい言葉を

 

かけてくれた

 

 

 

私は

 

私はぁ

 

なんてことをぉ

 

なんてことをぉぉぉぉぉ

 

考えていたんだぁ

 

 

帰りながら

反省をして

 

思った

 

 

次の週から真面目に働こうと・・・

 

 

 

休み明け会社に行くと

 

私のネタで盛り上がっていた

 

ガッハッハ

 

ゲッヘッヘ

 

とても楽しそうだ

 

 

 

私は

 

思った

 

次はやっぱり

ぶつけてやると・・・