あーー

 

もう

 

 

あーーー

 

やばいよーー

 

なんでなんですかーー

 

おおおおううう

 

家でた時は

 

全然平気だったじゃ

 

ないですかーー

 

 

 

わ、私は

 

 

電車の中

 

そう

 

私は

 

わ、私は

 

突如

 

襲って来た

腹痛に

 

悩まされている

 

 

だああああ

 

 

全神経を

 

お尻の一点に

 

集中する

 

少しでも

 

気が緩めば

 

エクスプロージョンしそうだ

 

 

て、手が震えて来やがる

 

もう、もう限界だと

 

体が

 

言っている

 

 

ここまで

 

よく頑張った

 

楽になれと

 

悪魔の言葉が

 

囁く

 

 

しかし

 

しかーーし

 

 

そんなことをすれば

 

一生の傷が

 

私の心に

 

残る

 

 

この電車にも

 

乗れなくなる

 

だから

 

だから〜ーー

 

絶対に乗り越えなければ

 

ならない

 

 

社会人として

 

絶対に乗り越えなければ

ならない

 

イベントなのだから

 

 

これを

 

乗り越えれば

 

またひとつ

 

社会人として

 

成長できる

 

 

社会人である

誰もが

 

超えなければ

ならない

 

壁である

 

 

はうう〜〜

 

 

痛みと

 

緩みが

 

交互に

 

襲って来やがる

 

緩急つけてくるって

 

反則ですよ

 

 

一体この電車に

 

私と同じ状況の人が

 

どれだけいるのだろうか

 

同士よ

 

頑張ろう

 

 

目的の駅まで

あと少し

 

あと少しなんだ

 

 

だが

しかし

 

だが

しかし

 

なんで

 

どして

 

緊急事態がやってくる

 

 

そう

 

非常停止ボタンを

 

誰かが

 

押しやがった

 

 

ドレミファあああああうそーーーう

 

 

なんてこと

 

しやがんだ

 

楽になりた

 

もういっそのこと

 

ぶちまけて

 

楽になりたい

 

 

自分に負けそうになる

 

 

だが

しかし

 

この困難を

 

乗り越えなければ

 

私に明日はない

 

 

できる

 

お前なら

 

できる

 

最後まで

諦めるな

 

自分を鼓舞し続ける

 

 

 

何分経過しただろう

 

この時間が

 

永遠に感じる

 

 

下を向き

 

小刻みに

 

震える私

 

 

 

どうしようもない

 

絶望感に襲われていると

 

 

ふっと痛みが和らぐ

 

 

そう

 

 

大一派は過ぎ去った

 

 

はぁはぁ

 

私は安堵する

 

 

しかし

 

次が

 

いつくるかは

わからない

 

そんな中

 

安全確認が取れ

 

電車が動き出す

 

 

もうこのまま

 

目的地まで

 

行ってくれ

 

頼む

 

祈る

 

ただ

 

ひたすら祈る

 

それしか

私にはできないからだ

 

痛みが消えたまま

 

何駅かすぎ

 

このままいけるかと

 

思った時

 

また

 

あいつがやって来た

 

悪魔の笑みを浮かべ

 

奴が

 

やって来た

 

 

 

甘かった

 

私は

 

甘かった

 

もう

 

大丈夫

 

 

いける

 

そんなことを

一瞬でも思った

 

私は

 

甘かった

 

奴は

 

無慈悲に私を襲う

 

ハゥゥゥゥゥゥゥ

 

全神経を

 

肛の門に

 

全集中

 

私はこのために

鍛えてきた

 

そして

 

今まですごい腹痛を我慢してた

 

絶対に次男なら

我慢できなかった

 

長男だから

今これが我慢できる

 

俺と肛の門の絆は

絶対に引き裂けない

 

 

自分を鼓舞し

 

痛みに耐える

 

頑張れ

 

頑張れ俺

 

やっと降りる駅に到着

 

 

人の間を

鬼の速さで

通り抜ける

 

どいてくれ

 

どいてくれえええええい

 

 

あああ

 

うはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

 

 

 

心を燃やせ

 

 

俺は負けてない

絶対に漏らさない

 

戦い抜いて見せる

 

 

あと少し

 

 

あと少しなんだ

 

駅のトイレに駆け込む

 

しかし

トイレを開けると

 

なんと

 

そこには

 

大きな

マルフォイが

プカプカと

浮いている

 

なぜ

 

流れてないんだ

 

 

匂いも強烈

 

がはあああああ

 

ぐはアアああ

 

となり

 

となりはどウなんだーーー

 

体を反転させ

 

勢いよく

 

移動する

 

 

 

しかし

 

そこにも

 

マルフォイが

ぶちまけられている

 

 

どうしてなんだよーーー

 

 

頑張れ

 

そうだ

 

近くに

 

コンビニがあった

 

そこへ

 

急げ

 

クソーーー

 

大丈夫

 

一歩ずつでいい

 

目の前の一歩が全てだ

 

この一歩を

 

小さな一歩を

 

ただただ進んでいけばいいんだ

 

 

自分を救うのは自分だけだ

 

頑張る

 

私は頑張る

 

ゆっくりと

 

少しずつ

 

刺激を与えないように

 

 

コンビニにつき

 

私は

 

残りの力を振り絞って

 

店員に言った

 

 

トイレ・・・貸して

 

ください・・

 

 

どうぞーーー

 

 

元気よく帰ってくる

 

 

トイレの方に体を向け

 

ゆっくりと

 

ゆっくりと

 

歩みを進めていく

 

誰も入っていないように

 

願う

 

 

 

まさに私は

 

トイレの前にいる

 

誰も入っていない

 

 

 

そして

 

扉を

 

ゆっくり

 

開ける

 

やっと

 

やっと解放される

 

 

なんだか

 

涙が出て来た

 

 

ゆっくりと

 

腰を下ろし

 

全てを放出した

 

 

全神経を集中し

 

水の呼吸

 

 

静寂に包まれた

 

空間に

 

響わたたる

 

爆発音

 

 

勝った

 

私は

 

勝った

 

偶然じゃない

 

これは勝つべくして

 

勝ったのだ

 

私は

 

また

 

社会人として

 

一つ成長することが

できた

 

ありがとう

 

ありがとう

 

立ち上がると

 

そこには

 

私を見つめる

マルフォイがたくさん

 

そして

 

私は言った

 

成長させてくれて

 

ありがとう・・と

 

 

ゆっくりと

マルフォイを流し

 

 

会社へ歩みを進める

 

私は思った

 

 

コンビニより

会社の方が

 

近かったかも・・・と

 

腹痛は盲目

 

と思ったのは

言うまでもない