はっきりいって私は泣いた。
生涯戦績:20戦4勝(0KO)14敗2分・・・
最後に内藤はリングに膝まづき、頭を様々な選手の汗と血と涙がしみ込んでいるマットにうずめ、そして顔面をマットにうずめた。立ち上がり、リングに立ったものしかわからないであろう、リング上から見えるまぶしすぎるライトをを見つめ、後楽園ホールのリングに別れを告げた。もう二度とプロボクサーとして立つことはできないリングへ。
奇しくも、会場内には佐々木選手の入場曲、ブルーハーツの「リンダリンダ」が流れている。
ドブネズミみたいに美しくなりたい
写真には写らない美しさがあるから
もしも僕がいつか君と出会い話あうなら
そんな時はどうか愛の意味を知ってください
ドブネズミみたいに誰よりもやさしい
ドブネズミみたいに何よりもあたたかく
愛じゃなくても恋じゃなくても君を離しはしない
決して負けない強い力を僕は一つだけ持つ・・・・
ここで会場アナウンス「内藤選手、本日が37歳定年の最後のリングであります」。
おそらくコアなボクシングファンでしか知らないであろうこの情報を知った観客が、本当に大きな拍手を内藤選手へ贈ってくれた。
会場内に鳴り響くリンダリンダの叫びと共に、場内割れんばかりの拍手の中、内藤選手は顔を涙でぐしゃぐしゃに
し、最後にリングに一礼をし、タオルで顔を押さえながら控え室へと消えていった。
映画のワンシーンのようだった。内藤選手のこれまでの人生の中で、一番輝いた瞬間だったのではないだろうか。最後の最後まで戦い抜いた選手には、それ相応の素晴らしいラストシーンが待っているんだと思う。
内藤選手は、控え室でこう語ってくれた。
『最後の最後までバックアップしていただき、大変感謝しております。ありがとうございました。力は尽くしました。自分自身に対しても嘘はありません。 悔しい気持ちでいっぱいですが、早く”再起”して違う場所での次の戦いに向かわなければと思います』
内藤選手はボクシングに誠実で、まっすぐで、そして美しく、新たなリングで決して負けない強い力を一つ身につけたのであろう。
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