京町家のハシリの柱 | 矢田 裕一のブログ

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好きな京都のこと、模型のことを綴っていきたいと思います

写真が少し暗くてすみません

西陣にある織成館さまのハシリの天井を撮影したものです



矢田 裕一のブログ-カウンターバランス

殆どの京町家のハシリの天井には、太い柱が通っています

単なる見栄(財力があることを示すため)で通しているのでしょうか


実は地震対策です

京町家はもともと軽く建てられているため、地震のときに壁が大きく揺れて倒れてしまう恐れがあります

(コピー用紙等の紙の下を持って、手で揺らしてみると紙の上側が良く揺れます)


そこで太い大きな柱をハシリの天井近くに通すことで、京町家の倒壊を防いでいます


太い大きな柱は重量があるため多少の力では動かず、大きな揺れを防止することができます


動いた場合でも、天井近くに通すことによりカウンターバランスの役目をさせて、

京町家の揺れを打ち消し合う工夫がなされています


もうひとつの理由としてハシリの間には柱がないため、その間の補強としても入っています


カウンターバランスを用いることによる地震対策を施す発想は

現在の家屋には見られないと思います


当時の大工棟梁の知恵は本当にすごいと思います