今回は「イェシュアのよみがえりはいつなのか?」について。

 

 

初頭に、過越祭の期間中には三度の安息日があると言うことをもう一度、思い出して頂きたいです。

 

一つ目は過越祭、つまり除酵祭の初日です。そしてその週の土曜日は安息日です。また、除酵祭の最後の日が安息日となります。この内容を理解できるように、マルコとルカがヒントを与えてくれています。

 

 

<マルコ福音書15:47〜16:2>

マグダラのマリアとヨセの母マリアとは、イエスの遺体を納めた場所を見つめていた。安息日が終わると、マグダラのマリア、ヤコブの母マリア、サロメは、イエスに油を塗りに行くために香料を買った。そして、週の初めの日の朝ごく早く、日が出るとすぐ墓に行った。(新共同訳)

 

<ルカの福音書23:54〜24:1>

その日は準備の日であり、安息日が始まろうとしていた。イエスと一 緒にガリラヤから来た婦人たちは、ヨセフの後について行き、墓と、イエスの遺体が 納められている有様とを見届け、家に帰って、香料と香油を準備した。婦人たちは、 安息日には掟に従って休んだ。(新共同訳)

 

 

この二つの記述によると、過越祭の前日、すなわち、女性たちが14日にイェシュアをお墓に納めることを確認した後、過越祭の安息日を守って、その翌日の16日に、イェシュアに油を塗りに行くための香料を買ったのです。その後、再び土曜日の安息日になったのです。

 

ここまでの日付を整理すると、まず、過越祭の六日前の9日の日、すなわち金曜日の日にイェシュアはベタニアに着いた後、夕食(シャバット・ディナー)をされた。

 

 

その翌日の10日の土曜日(安息日)にエルサレムに入城されました。それから、弟子たちと共に、パリサイ派と律法学者の人々、また、サドカイ派の人々との間に色々な論争をされながら、弟子たちに神の御教えのトーラーの真髄について教えられたのです。 

 

そして13日の夜、すなわち14日が始まる夕暮れに弟子たちと共に食事をされました。

 

 

その夜、オリーブ山で逮捕され、大祭司長のところに連れて行かれたイエス様。そこ に祭司たちと長老たち、律法学者たちが集まり、イェシュアを処刑するつもりでピラトに引き渡したのです。この時は14日の朝方でした。その後、十字架につけられ、午後三時頃息を引き取られました。

 

 

このような流れから見ると、9日は金曜日になり、10日は土曜日、13日は火曜日、14日は水曜日、15日は木曜日となります。

 

 

つまり、イェシュアが十字架につけられた日は金曜日ではなく、水曜日になるのです。これは、今まで金曜日の13日と教えつけられた事が、全く聖書的根拠がないものであったことを明かにしています。 

 

そして、西洋では、金曜日の13日は縁起が悪いと思っているところがありますね。しかし、ユダヤでは13という数字は縁起が悪い数字ではないと言われています。

 

 

しかしながら、 これからもっと研究しなければならないことがあります。

それは、マタイ28:1、マルコ 16:2、ルカ24:1、ヨハネ20:1に記されている内容の翻訳の問題です。

 

 

難しいと思いますが、ギリシャ語と共に見ていこうと思います。

 

 

<マタイの福音書28:1>

さて、安息日が終わって、週の初めの日の明け方に、マグダラのマリアともう一人のマリアが、墓を見に行った。

 

Ὀψὲ δὲ σαββάτων, τῇ ἐπιφωσκούσῃ εἰς μίαν σαββάτων, ἦλθεν Μαριὰμ ἡ Μαγδαληνὴ καὶ ἡ ἄλλη Μαρία θεωρῆσαι τὸν τάφον.

 

<マルコの福音書16:2>

そして、週の初めの日の朝ごく早く、日が出るとすぐ墓に行った。

 

καὶ λίαν πρωῒ τῇ μιᾷ τῶν σαββάτων ἔρχονται ἐπὶ τὸ μνημεῖον ἀνατείλαντος τοῦ ἡλίου.

 

<ルカの福音書24:1>

そして、週の初めの日の明け方早く、準備しておいた香料を持って墓に行った。

 

 

τῇ δὲ μιᾷ τῶν σαββάτων ὄρθρου βαθέως ἐπὶ τὸ μνῆμα ἦλθον φέρουσαι ἃ ἡτοίμασαν ἀρώματα.

 

<ヨハネの福音書20:1>

週の初めの日、朝早く、まだ暗いうちに、マグダラのマリアは墓に行った。そして、墓から石が取りのけてあるのを見た。

 

Τῇ δὲ μιᾷ τῶν σαββάτων Μαρία ἡ Μαγδαληνὴ ἔρχεται πρωῒ σκοτίας ἔτι οὔσης εἰς τὸ μνημεῖον, καὶ βλέπει τὸν λίθον ἠρμένον ἐκ τοῦ μνημείου.

 

 

これらは、マタイからヨハネまでの新共同訳とギリシア語の表記ですが、このうち、赤文字のマタイ28:1「 εἰς μίαν σαββάτων(エイス ミアン サバトン」、そしてマルコ、ルカ、ヨハネの「μιᾷ τῶν σαββάτων(ミア トォゥン サバトン)」を注目して頂きたい。

 

 

これは、ほとんど「週の初めの日」と訳されていますが、英訳YLTには

 

・「the first of the Sabbaths」

(最初の安息日)

 

 

・「on the first day of the Sabbaths」

(安息日の初日)

 

と訳しています。

 

 

また、この訳について研究したPeter A. Michas は、「one of the Sabbaths(複数の安息日のうちひとつ)」と訳することが出来ると主張しています。もし、このYLTの訳とM i c h a s の主張が正しいとすれば、女性たちが香料を持って、イェシュアのお墓に行かれたのは日曜日ではなく、土曜日であったと考えられます。

 

 

ここで、安息日を複数形として表記したと思われるギリシア語の「サバトン」は、安息日から安息日の間と言う意味で、一週間を表すことも出来ると言います。しかしながら、ユダヤ的な考えから見ると、過越祭の後、七週祭までの間には七回の安息日があるので、そのうちの最初の安息日であると言う表現としても理解できると考えられる。もちろん、この訳の問題についてはもっと研究が必要だと考えています。

 

また、ギリシア語で週(week)を表す言葉を、七十人訳から調べると、創29:27〜28とダニエル9:27に記されています。

 

 

それは、週(week)を表すヘブライ語「שבוע(シャブア)」のギリシア訳は「έβδομάδας(ヘブドマダス)」であるのに、なぜ、この言葉が使われなかったのでしょうか??これも、研究の余地があると思われます。

 

 

現在、ユダヤではアビブの月の16日からオメル(穀物の束)を数え、50日目の日には、七週祭を祝っています。これはレビ記23:11に関して、パリサイ派の解釈に基づくものです。

 

 

<レビ記23:11>

祭司は、あなたがたが受け入れられるために、その束を【主】に向かって揺り動かす。祭司は安息日の翌日、それを揺り動かさなければならない。

 

 

そして、これによると七週祭は、第三の月、シヴァン(סיון)の月の6日になります。これは、出エジプト19章の内容と一致するものと考えられるのです。そして、この解釈によると、14日に大麦を刈り入れ、過越祭の翌日、16日に神殿に持って行き揺り動かすということです。

 

 

次回は「過越の小羊・イエスキリストの結び」という内容で記していこうと思います。

 

 

 

主イエスの恵みと平安がありますように。

主イエスキリストの御名で祈ります。

 

Amen✨

 

 

©Shalom Messianic Ekklesia

by Yehoshua Jo