長い間カープファンをやらせてもらって
いますが、今までで1番興奮した
シーンを思い返すと、
田村スカウトがドラフトで
大瀬良のクジを引いた瞬間というのが
思い出されます。

あれはめちゃめちゃ嬉しかったです。

ずっと大瀬良のことを見てきた
田村スカウトの思いが通じ、
大瀬良はカープに入団しました。

既にカープの主力になっていた
今村猛とは、同じ長崎県で同学年。

地方大会などで切磋琢磨してきた
2人が、共にカープの投手陣を
支えていくことになりました。


1年目から10勝。

前評判通りの活躍を見せた
大瀬良でしたが、それ以降は
上手くいくことばかりでは
ありませんでしたね。


プロ2年目の2015年。

この年は、良い投球をしながらも
勝ち星に恵まれませんでした。

ある試合では、1点の援護を貰い、
1-0のスコアで9回のマウンドに
立ちました。

その時点で既に110球くらいは
投げていたと思います。

交代かなぁと思ったのですが、
当時の緒方監督は、
大瀬良本人が9回を0で締めて
勝つ、というのが良い形だと
判断したのでしょう。

ところが、先頭打者のフライを、
外野手が目測を誤って後逸し、
二塁打にしてしまう…

そして、それがきっかけで同点に
追いつかれてしまったのです。


熱投報われず…

本当にツイていない…

そんなことの連続でしたよね。

でも、大瀬良が味方のミスを
責めたり、マウンド上で態度に
出すというのを見たことが
ありません。

常に大瀬良は、味方のミスは
自分がカバーするという気持ちを
持っている。

そういう投手だからこそ、
大瀬良を応援したくなるのです。


なかなか勝ち星に恵まれない
大瀬良は、チーム事情もあり、
交流戦あたりから中継ぎに
配置転換されました。

連投にイニング跨ぎに、
フル回転でブルペンを支えました。

この年のカープはなかなか
歯車が噛み合わず苦戦しましたが、
大瀬良の活躍でなんとか、
CSを狙える位置で戦うことが
できていた。

そしてシーズン最終戦。

勝てばCS進出、
負ければBクラスという
大切な試合。

野手陣が得点はおろか、
出塁すらなかなかできない中、
エース・前田健太が気迫の投球で、
7回までを0で抑えます。

そして0-0の8回を、
大瀬良が任されました。

この日も気持ちのこもった投球を
見せた大瀬良でしたが、
渾身の投球を打ち返されてしまい、
連続二塁打で先制を許してしまう。

結局それが決勝点となり、
カープは敗戦。

Bクラスが確定しました。


あのとき大瀬良が見せた涙は、
多くのカープファンの記憶に
残っていると思います。

大瀬良は本当によく頑張りました。

あの年に最後までCS争いが
できたのは、間違いなく、
大瀬良のおかげです。

その大瀬良が最後に力尽きた。

もちろん、打たれた大瀬良を
責めることなんて自分には
できませんでした。




ようやく大瀬良が報われたかな、と
思ったのが、それから3年後の
2018年です。

この年は開幕から先発として
非常に安定した投球を見せ、
15勝を挙げる活躍でした。

最多勝と最高勝率のタイトルを獲得し、
チームの3連覇に大きく貢献。

相手打者をねじ伏せるような
投球が印象的でした。

チームの優勝の中心に
大瀬良大地が存在する。

そういう姿をようやく、
見ることができました。



そして今に至るわけですが、
あの頃の大瀬良と比べると、
個人的にはどうしても物足りなさを
感じてしまうところがあります。

変化球でかわそうとする場面が増え、
かつてのような、打者をどんどん
向かっていくような気持ちの良い投球が
なかなか見られなくなってしまっている。

去年のCSで久しぶりに、
本当の大瀬良の熱投を見ることが
できて嬉しかったのですが、
まぁ大瀬良もいろんな経験を
重ねているし、コンディションも恐らく
ずっと万全ではないのでしょう。

だからこそ、気持ちとか気合いとか、
そういうものだけではなく、
頭脳・投球術で打者を打ち取り、
なんとか1年間ローテーションを
守れるようにしよう、と。

そういうことなんだろうと
思います。

コンディションが悪い中でも、
大瀬良は言い訳をしません。

全部自分の責任として背負って、
歯を食いしばって頑張って
いるんだと思います。

それはよくわかります。

わかるのですが、そうは言っても、
やはり大瀬良はカープのエースな
わけですから、欲しいのは
「結果」なのです。

誰が見てもエースと言えるような
成績を残して、マウンド上で
熱い投球を見せて、若い投手たちを
どんどん引っ張っていき、
優勝に導く。

大瀬良には、そのくらいの
高いレベルのことを
やって欲しい、というのが、
ファンとして個人的に
願っていることです。

だからこそ、近年の大瀬良には
常に物足りなさを感じていて、
厳しいことを言う時も
多いのですが、
自分は大瀬良のことが
大好きですからね。笑

そこは誤解しないでもらいたい。

大瀬良というのは、
運命的なドラフトを経て
カープに入り、不運がありながらも
常に前を向き、ずっと献身的に
チームのために頑張っている選手です。

ファンとして、
好きにならないわけがないですよね。

ずっとずっと応援しています。