先日、広島のテレビ番組で、
前田智徳さんが新井監督に
インタビューをしていました。

その中で、去年最も
「これはハマったな」と思った采配は
何か?という質問があって、
新井監督はクライマックスシリーズの
羽月三盗→菊池スクイズを
挙げていましたね。


あれは、羽月が初球で三盗を決めて、
1球ボール球を挟んだ後、
カウント1ボール1ストライクからの
スクイズでした。

このカウントでのスクイズは
結構、珍しいなぁと思います。

しかも、セーフティスクイズではなく、
投球と同時に3塁走者を
スタートさせていますからね。



3塁走者羽月・打者菊池という
シチュエーションだったので、
当然相手バッテリーは
スクイズが頭にあったと思います。

その中で、1ボール1ストライクという
平行カウントにおいては、
スクイズ警戒で1球、ウエストを
してくる可能性がありますよね。

平行カウントなので、
まだ相手バッテリーとしたら
ボール球を使うことができる
カウントですからね。

そのカウントでスクイズというのは
かなり勇気のある采配だなぁと
思います。



ただ、逆に考えると、
1ボール1ストライクからウエストを
した場合、カウントは2ボール1ストライクに
なりますから、そうなると次の球は
確実にストライクを投げないと
いけなくなります。

そっちの方がスクイズの危険性が
高まってしまう、という考え方も
できますよね。

新井監督としては、そこを
読んでいたのかもしれませんね。

つまり、ここで投球を
外してくることはないだろうという
判断ですよね。

そう考えると、
1ボール1ストライクというカウントは
意外とスクイズを仕掛けやすい
カウントと言えるかもしれませんね。



スクイズをやりやすいカウントって、
どのカウントなんですかね。

まぁ、当然、2ストライクになれば
「3バント失敗」のリスクが
生まれますから、
スクイズを仕掛けることは
できません。

なので、スクイズをやるなら
それより前のカウントで
やらないといけません。

個人的に思うのは、
初球で「スクイズ」はリスキーなので、
初球でやるとしたら
「セーフティスクイズ」でしょうね。

3塁走者は、投球と同時に
スタートするのではなく、
打球を見てからスタートを切る。

そして打者はファウルになっても良いので
ライン上ギリギリを狙ってバントをする。

初球でやるとしたらそういう
作戦です。


で、1ボール0ストライク、
または2ボール1ストライクという
ホール先行のカウントであれば、
ストライクがくる確率が高いので、
普通のスクイズをやるのも
アリかなぁ、と。

もちろん、セーフティスクイズの方が
リスクは小さいのですが、
あの菊池のスクイズを見ると、
やはり普通のスクイズの方が
得点の確率は上がりますよね。

菊池はほぼ投手の正面に
転がしましたよね。

あれはセーフティスクイズだと
できないわけで、
羽月がスタートを切っているからこそ、
「ファウルになっても良いから
絶妙なバントをしよう」と思わなくて
良くなるわけです。

正面で良いから確実にフェアゾーンに
バントをしよう、という意識で
良くなります。


もちろん、バントを空振りして
しまったら3塁走者が
挟まれてしまうので、
「確実にストライク(または確実に
バントできる球)が来る」ということと、
打者のバント技術に信頼が置ける、
ということを前提とするべきですが、
その前提条件が揃うのであれば、
セーフティスクイズよりも
普通のスクイズの方が
得点は入りやすいのだと思います。

それをやるなら、
基本的にはボール先行の
カウントですが、
新井監督のように1ボール1ストライクで
仕掛けても面白いなぁと思います