昨年の震災を契機に、80代の夫の両親を自宅に迎えた。いつかはそんな日が来るとは思っていたが、頑固な人たちのこと、夫婦そろっているうちの同居はまずないだろうと考えていた。
一緒に住んでみると、今までどうやって暮らしていたのだろう?と思うような状況。三食を配膳まですべて済ませて、「ご飯ですよ」と出してあげる生活。家から出るのは月に一度程度の通院のときだけ。雑誌でも買ってきましょうか?と尋ねても、「疲れるからいらない」という返事。どうも食べることだけが楽しみなので、三食のほかにおやつの心配もしなければならない。私たちが夫婦で外出するときには、弁当を買っておくなり、食事の心配をしてから出かけなければならない。
日曜の朝は、老夫婦の寝室(居室)の掃除とシーツ交換をする。入浴は義父は介助なしではできないので、週に一度夫が手伝って入浴する。我が家に来るまでは2年くらい入浴してなかったそうだ。
退屈でないのだろうか?とかもったいないなー、何かやればいいのに、と思うが、とりあえず私は必要な家事を提供しているだけだ。 実は脳トレドリルなんかどうだろう?とか好きだった手芸をやってみては?と思ったこともあったが、老人特有の頑固さと、義父母特有の自尊心が混交しているものだから、不肖の嫁などは口を出す余地がない。
同居することになったとき、それまではどちらかというと、当たらず触らずの付き合いだったのだが、家族としてやっていこう、温かい関係を築きたい、と夢見たものだったが、その夢は完全に潰えてしまった。たとえば義父母がお皿を割ってしまったとき、別にそれは大したことではないのに、何も言わずにベッドの下などに割れたお皿を隠してしまう。そんなこんなでどうしても越えられない壁を感じている。
老後はやがて自分にもやってくる。そのとき、若い世代に迷惑をかけないよう、今の自分の気持ちを記憶しておこうと思うのだが、そんなことも忘れてしまうものなのかもしれない。
とりあえずは、フランクな関係を息子夫婦、娘夫婦を築いていきたいと思う。