恋はしないと、心に決めてきた

そんな感情など、わてには邪魔に過ぎなかったから

けど、慶喜はんに連れられてあんさんがこの置屋に来てからというもの、わての感情は揺らぎっぱなしや


わては、陰のものでええと思っていた

慶喜はんに陽が当たっていさえすれば、それでええ、そうあるべきやと

慶喜はんを護るためやったら、わては孤独でええ

それに何の疑問も持たなかったし、平気だった

任務意外の感情を捨て、徳川のために尽くすだけと…



けど…

与えられた任務と相対するように、あんさんへの想いが湧き出てくる

太陽のように眩しい笑顔のあんさんを見ていると、わての陰まで照らされてくるような気がしてきて


愛しいと想う…


生まれてくるこの感情に戸惑いながらも、この想いを止めることが、どうしてもできなくなった


わてのそんな葛藤を知ってか知らずか、あんさんはわての心に深く深く入ってきて


『私…秋斉さんが好きです』


その言葉を聞き、わてがどんな気持ちだったかわかるか?

少しの困惑と、溢れそうなほどの嬉しさ…

困惑と言うても、誤解せんといてほしい

そこは、わての立場や


でも…

あんさんがわてと同じ想いでいてくれたことがわかったときのこの気持ち

口が裂けても誰にも言えまへんな

女を知らないわけではない、いい大人が、まるで少年のように心をときめかせているんや


あんさんの笑顔で、わての中の深い深い青が、透明な色に変わっていく

それは今まで見たことのない景色

そんな景色が、わてをほんの少し素直にしてくれる


「なぁ…」

隣りに座る、愛しい娘の名を呼ぶ

『はい、なんですか?秋斉さん』

どんな言葉を遣っても、わての本心は伝わりきらない

それでも、言わずにはいられない

「俺はお前が好きだ」

京訛りも忘れるほど、率直に本心を伝えた

「お前を誰にも渡すつもりはない だから…

素敵な恋にしよう」

―いつか、この想いが恋から愛に変わっても―

真っ赤になったあんさんに、そっと小さな口付けを落とす

『あっ…秋斉さんっ…!?』

少し驚かせたか

消えそうなほど小さな小さな声で、私もです、と囁き、動揺しながらもわての手にそっと小さな手を添えてくれたあんさんを、これからずっと大切にしたいと思った



縁側に腰掛けて、二人で空を見上げる

雲ひとつない晴天

その空があまりにも青くて…

ただそれだけで、涙がこぼれそうになった


そして、その空に輝く太陽が生み出す二つの影が、まるで今のわてらの心のように寄り添い…

いつまでもいつまでも繋がっていた






―ステキな恋にしよう~sha la la~【藍屋秋斉】・完―


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本日8/19、お誕生日のキャピたんへ

お付き合いされている秋斉さんからのメッセージを伝えさせていただきました!

いつもの秋斉さんらしからぬ、甘甘モードでございます

お祝いゆえ、糖度高めになっております( ´艸`)



Skoop On Somebody の、sha la la という歌をモチーフに書かせてもらいましたが、もしわからない方でも話は通じるようにしたつもりです

たまにやる、<このセリフ、旦那様に言わせてみよう>な発想で、

“ステキな恋にしよう”

を、秋斉さんに言っていただきました( ´艸`)


改めまして、キャピたん、お誕生日おめでとう!!!



sha la la/Skoop On Somebody