こんなしょうもない企画と思っていたのですが


なんとこのセリフ、他の旦那様バージョンのも見たい!!と、なんとも奇特でありがたい声を頂戴いたしましてですね!


調子に乗った里桜…やっちまいます!!


あと4人の旦那様にも、言ってもらいましょう!


『君に出会ってすべてがバラ色』


超超超短編(といいつつ、微妙に長くなりつつあるw)ですが、どうぞ!


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“君に出会ってすべてがバラ色~pink rose~”by徳川慶喜


慶喜さんから逢状がかかった

いつも置屋に遊びに来ていて、秋斉さんの部屋や私のところにも頻繁に出入りしているのに

でもどこか嬉しくて、逸る鼓動を抑えてお座敷に向かう

『失礼します』

襖を開けると、そこは一面ピンク色の世界だった

ピンクのかわいいバラの花が、部屋一面に散りばめられている

その真ん中に座り、やぁ、と笑顔を見せる慶喜さん

お辞儀をするのも忘れ、呆然としてしまう

『慶喜さん…これは?』

「驚いた?」

くすくす笑う彼が、嬉しそうな顔を見せる

「お前を驚かせようと思ってね 少し贅沢をした」

こんなにたくさんのバラをこんなふうにできるなんて…

でもそこには嫌味のない、気品のある贅沢に思えた

「さぁ、こっちへおいで」

彼の隣りに座ったが、お酌をするのを忘れるほど、その景色に圧倒され続ける

そんな私の様子を見て、彼は本当に満足そうだった

「気に入ったかい?」

声も出ず、ただ頷くだけの私に向かって、慶喜さんは花をひとつ手に取り、軽く握った

形を崩したバラは複数の花びらを生み出す

その花びらは、彼の手を離れ、やがて私に舞い降りてきた

「このバラも綺麗だけど、やっぱりお前の方が綺麗だね」

私の頭についた花びらを取り、そっと指でつまんだ

「お前に出会って、俺のすべてがこのバラ色になった」

お前のような明るく美しい薄紅の世界…

「いつまでも俺に、この色の景色を見せていておくれ」

目を細め、そう優しく微笑むから、私の頬はこのバラと同じように薄紅に染まった


―pink rose 上品 気品 恋の誓い―




“君に出会ってすべてがバラ色~black rose~”by高杉晋作


「これは、ブラックバカラ、という」

一輪のバラを手にして、彼が言う

黒く見えるそれは、よく見ると濃赤のバラだった

「お前に出会って…俺のすべてはこのバラ色だ」

『え…?』

どういう意味?私と出会ったことで、高杉さんはこんな色の想いでいるの…?

決して泣くまい、と思っていても、みるみるうちに涙が浮かび、ポロポロとこぼれる

すると彼は、私のこぼれた涙をそっと手で拭い、片方の口角を上げて笑みを浮かべた

「なぜかわかるか」

お前に男が近づくたびに…お前が楽しそうに他の男と話すたびに…

俺の心がどうしようもなく黒い渦を巻く

「つまり、だな」

―お前を独占していたい

思いもよらない言葉に、イッキに涙も止まってしまう

そして思い切って彼の首の後ろ両手を回す

『大丈夫です 私は…あなたのものです』

心も、この身もすべて…

『だから、私もその色の中に入れてください』

あなたとともに見る景色は、どんな色でも輝いているから…

彼の広い胸に顔を埋めると、私の視界は深い赤色で染まる

「あぁ…共に染まるのも悪くないな お前となら」

寄り添う身体を離すまいと互いの腕に力を込めた

決して離れることがないように…


花鳥風月
illustration by カヲリ@thomas


―black rose 貴方のすべては私のもの 束縛 永遠の愛―




“君に出会ってすべてがバラ色~any roses~”by坂本龍馬


『○○はん、坂本はんが来てますえ』

意味深な笑顔を浮かべ、花里ちゃんが私を呼びに来た

冷やかす彼女を交わし、置屋の玄関に向かう

「おお!○○!」

満面の笑みを浮かべた龍馬さんが、大きな花束を持って立っていた

それは、色とりどりのバラの花束…

『龍馬さん、どうしたんですか?こんな朝早くに…』

それよりも…

『その花束…どうしたんですか?』

「ん?これか?これはおまんへの贈り物じゃ」

好きな女子に想いを伝えるときは、花束を贈るといいと聞いたき…

『好きな…人って?』

彼が少し頬を染め、そして真っ直ぐ私を見つめて

『○○、わしはおまんが好きじゃ

この花束…受け取ってくれるかの?』

少し自信なさげに花束を差し出す彼が少しかわいくて、とても愛おしくて

はい、と返事をして、その花束を受け取った

『私も…龍馬さんが好きです』

花束で顔を隠しながら、そう想いを伝えた

その言葉を聞いた彼は、お日様のような眩しい笑顔で

「まっこと嬉しいぜよ!」

そう叫んで、花束ごと私を抱きしめた

「おまんに出会って、わしのすべてがこのバラ色じゃき」

嬉しい、楽しい、会いたい、大好き、愛してる…

たくさんの想いが色なす、このバラの花たちのような眩しい世界がこれからの私たちを包んでいこうとしていた


―any roses 愛 恋 幸福 無邪気―



“君に出会ってすべてがバラ色~red rose~”by土方歳三


「俺は言葉にするのが苦手だ

でも、俺の思いはわかってもらえていると思っている」

そう言って、土方さんは一輪の赤いバラを、上着の胸元のポケットから差し出した

彼が京都から会津へ行くとき、私はすべてを投げ打って付いて行くと決めた

互いに、好き、という言葉はないものの、気持ちは通じているものと思っている

きっと土方さんも…

「でも、言うべきことは言っておかないといけないな」

いつ何時、何があるかわからないから…

少し耳を赤くしながらも、真っ直ぐに私の目を射抜いてこう続けた

「俺はお前を…愛している」

戦いの中に身を置く俺が見る景色は、血で染まった赤い景色だった

しかし、お前のいる景色は、違う赤の景色を見せてくれる

俺に逢うたびに、頬を真っ赤に染めるお前

紅を引いたその唇で、一生懸命俺に気遣いの言葉をかけるお前

だから…

「お前に出会って、俺のすべてはこのバラ色だ」

赤い景色には違いないが、お前といるときの幸せの赤…

俺の手はこれからも血で染まる

でもこのバラを思い出し、お前のことを想う…

普段自分の気持ちを口にしない彼の言葉は、私の心に深く深く入り込んだ

『私も…あなたを愛しています』

だから…

―死なないで―

そう言おうとしたけれど、その言葉は飲み込んだ

“武士”である彼は、何があっても戦いに行く

彼の“最期の場所”は、きっとそこだ

だから今この時、この瞬間を共にいられることを大切にしよう

彼の大きさを、温もりを、声を、何もかも刻み付けるように、彼の背中に手を回した

いつまでも、何があっても、私はあなたを愛します…


花鳥風月
illustration by カヲリ@thomas



―red rose 愛情 あなたを愛します―



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ふぅぅぅぅ~!!


いかがでしたでしょうか!?


甘甘テイストばかりでなく、ちょっとダーク、というか、シリアステイストも入れてみました


高杉さんが、絶対赤いバラ!と決めていたのに、土壇場で覆しました


それで土方さんが赤いバラです


洋装姿の彼の、ジャケットのカラーの色のイメージで



黒いバラ…ブラックバカラ


これ、お話の中でも書いたけど、黒じゃなくて、濃い濃い赤なんですね


ちなみにコレも、2000年代になって誕生したものなので、時代設定は…お任せします(ノ´▽`)ノ←また投げたよwww