このお話は、艶友で素敵絵師の、ゆっちゃん こと ゆっちそっちさんがですね
ご自身のブログで、何とも素敵に心躍るドキドキイラストを描かれていてですね!
それに、ゆっちゃん→ちぇる姉さん こと ちぇるし~さん→里桜
と、ブログコメに短い短いリレー小説を展開させてもらいまして
それに肉付けさせてもらったものです
今回はなんと、ゆっちゃんのイラスト付き!!!
すごい、ですよ!!マジで!!
ゆっちゃん、ありがとうヾ(@^▽^@)ノ
ゆっちそっちさんの素敵イラストが堪能できるブログ、
好きなこと、いろいろの
にも、このイラストがUPされています♪
それでは
短編ではありますが、ご覧ください
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今宵も、闇の中に深紅の蝶が舞う―
『だからどうしていつもそういうことばかり言うんですか』
高杉さんがお座敷に呼んでくれる日は、決まってこの言葉を言う
『私を困らせて…その顔を見てどうしようというんですか』
お酌をしたばかりで満たされた杯を持ち、高杉さんは満足げに笑う
「にこにこした顔なんざ見飽きたんだよ 誰にでも見せる顔なんかな」
切れ長の目を細め口角を上げて、妖しい笑みを浮かべる
『私は…そんな顔見せたくありません 可愛くないし…
それに…』
そこまで言って言葉を止めた
これ以上言っては、ますます彼の思うつぼになる気がした
しかし、彼が許してくれるはずもない
あっという間に顎をすくわれ、唇と唇が触れそうなほど顔が近づく
「それに…何だ?」
『いえ…なんでも…』
恥ずかしさのあまり直視できず、目を逸らす
「ほう…これ以上話すことはないというのだな?
ならばこのままお前の唇を塞いでやろう」
彼の吐息を自分の唇に感じた瞬間…
『言います!言いますから…』
反射的にそう言い、彼を突っぱねていた
相変わらずニヤリと笑みを浮かべた彼が、軽い舌打ちをして顔を離す
「なんだよ、そんなに俺との口づけが嫌か」
…もう誤魔化しは効かない
腹をくくって言葉を紡ぎだす
『あなたには…最高の私を見てほしいんです』
彼が一瞬目を見開き、真顔になる
「最高の…お前か」
再び彼がニヤリと笑い、私の頬に触れる
その手は瞬時に下り、私の腰まで来たところで止まって、そのままグッと抱き寄せた
「俺にとっての最高のお前は…わかるだろ?」
そう言って私の帯に手をかける
そのまま帯はシュルっという音を立てて、はらはらと解かれていく
『ちょ…っ!高杉さんっ…』
「何だ今更
最高の自分を見て欲しいって言ったのは、○○、お前のほうだぞ」
こうなった彼にはもう抗えない
だからといって、このまま流されてしまうのも…少し悔しい
『…わかりました その代わり…
私にも最高のあなたを見せてください』
着物の前襟に差し込んだ彼の手がふっと止まる
そして口角をグッとあげた、いつもの彼独特の笑みを浮かべ、
「お前にはいつも最高の俺を見せているつもりだったがな …いいだろう」
バサッ
言うが早いか、真っ赤な着物が宙を舞う
まるで深紅の蝶が闇の中を飛ぶように…
「…お前が煽ったんだ 容赦はしねえ」
有無を言わせないその口調に、私はただ黙って従った
頷くことも、返事をすることもせず
でもそれは、彼の全てを受け入れることの、私なりの最大の肯定だった
そう、新造という自分の立場すら忘れて…
あの夜から…
幾度もの夜の帳の中、深紅の蝶は闇を美しく舞い、私を魅了する
その蝶の虜になった私は、ただただ甘い蜜で彼を誘い、赤い夢に全てを捧げる…
―深紅の蝶が舞う夜【高杉晋作】・完―