※追記※
このお話の続編ができました!!
詳しくは一番下に書きましたので、ご覧ください♪
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
前記事で、Skoop On Somebody についてふれたんですが
そこからS.O.Sを聴いていた!という、艶友のカヲリ@thomasさんより、リクエストなんてものをいただきました!
大したものも書けない私が、リクなんて受けていいのか…と正直思いますが
私も大好きな歌だったので、失礼を承知で書かせていただきます
Skoop On Somebody の“線香花火”という歌をモチーフに…
時代背景は現代、二人が戻ってきてからというお話です
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
俺たちは、夜の公園にいた
手に、花火を持って…
“現代”に戻ってきてからというもの、○○は心ここにあらずといった日々を送っていて、覇気もなく、ただただ作り笑いを浮かべながらやり過ごしている感が否めない
忘れられないのだろう
それは俺もわかっている
俺だって忘れられないから
学校が休みだった今日の午後、○○を散歩に連れ出した
そうでもしないと、アイツは家の中で塞ぎこむばかりだった
ブラブラと街を歩いていると、○○は突然立ち止まり、その店先に並んでいた花火に目を留めていた
「花火…今夜やってみるか?」
そう声をかけると、花火から目を逸らさずに、小さくひとつ頷いた
たくさんの手持ち花火があった中で、○○が選んだのは線香花火だった
用意した蝋燭から、花火に火を点す
小さな小さなオレンジ色の光が少しずつ玉を膨らませ、やがて花びらを散らせる
わずかな風にでも揺れて落ちてしまいそうなそれを、○○は手のひらで大事に大事に庇っていた
少しでもその命を永らえるように…
花火は次第に小さくなり、静かに静かに、その終わりを迎える
『あっ…』
そよ風にでさえかき消されそうなくらい小さな叫び声を、○○が上げる
「まだあるから…ほら」
ひとつ手に取り、新しく火を点す
芯の玉が大きく膨らみ、やがて優しい火花を散らす
その火花はやがて柳になり、散り菊に移り変わると、○○の目に大きな涙の粒が浮かんでいた
『…っく』
次第に嗚咽を漏らしながら肩を震わせる
こんなときなのに
コイツはまだ、こんなにあの人のことを想っているのに
俺はコイツを奪ってしまいたいと思っている
コイツの中は、まだあの人でいっぱいだというのに
―ダキシメタイ―
自分のものにしてしまいたいと思う俺がいる
でも、それはできない
花火が消えぬよう、ずっと手をかざしているコイツを、ただ見守ることしかできない
少なくとも、今はまだ…
俺は1本手に取り、先端をそっと○○の持つ花火の先に近づけた
その花火から、“命”をもらう
そして俺の花火から、○○はまた火を点す
交互に交互に
そのオレンジ色の灯りが消えることがないよう…
それはまるで
俺たちがいたあの幕末で
あの人の運命を変えようとした、○○と俺の小さな小さな抵抗のようで
少しでも命を永らえようと奔放したあの日々を思い出させた
定められた歴史の中で、儚くも散っていくものとわかっていながら
それが変わるのを覚悟の上での、俺たちの“抵抗”だった
やがて花火は最後の1本になり、その散り菊が静かに終わりを迎えたとき
『…っ…さん…』
○○は小さくあの人の名を呼び、再び嗚咽を漏らした
オレンジ色に点された小さな空間が消え、再び闇が訪れる
○○の心の中も、まだ闇なのかもしれない
あの人の存在はきっと、月日が流れてもコイツの中から消えないだろう
でも、今の○○を愛しいと思うのは、あの人が心の中にいるコイツなんだから
あの人もひっくるめて、俺はコイツを愛しんでいくのだろう
そしていつか、コイツの心にもう一度、この線香花火みたいなオレンジ色の灯りが灯るまで
俺は傍にいる
ただ、傍にいよう
願わくば、その灯りを灯すのが俺であればいいと思いながら…
―線香花火【結城翔太】・完―
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
線香花火/Skoop On Somebody
興味のある方は、よかったら聴いてみてください♪
素敵な切ない曲です
※追記※
このお話に、艶友で素敵作家の寿々花さんが、なんと続編を書いてくださいました!!!
とってもとっても素敵なお話です
…と、リンクを追加しようと思ったら、うまく貼れなかったorz
新しいタグエディタはまだ使いこなせない…
コメ欄に、寿々花さんがコメントしてくださっています
そこから寿々花さんのブログ
<すず日和>の中の、
2人のDIFFERENCE
を、ぜひぜひご覧ください♪
このお話の続編ができました!!
詳しくは一番下に書きましたので、ご覧ください♪
゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆
前記事で、Skoop On Somebody についてふれたんですが
そこからS.O.Sを聴いていた!という、艶友のカヲリ@thomasさんより、リクエストなんてものをいただきました!
大したものも書けない私が、リクなんて受けていいのか…と正直思いますが
私も大好きな歌だったので、失礼を承知で書かせていただきます
Skoop On Somebody の“線香花火”という歌をモチーフに…
時代背景は現代、二人が戻ってきてからというお話です
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
俺たちは、夜の公園にいた
手に、花火を持って…
“現代”に戻ってきてからというもの、○○は心ここにあらずといった日々を送っていて、覇気もなく、ただただ作り笑いを浮かべながらやり過ごしている感が否めない
忘れられないのだろう
それは俺もわかっている
俺だって忘れられないから
学校が休みだった今日の午後、○○を散歩に連れ出した
そうでもしないと、アイツは家の中で塞ぎこむばかりだった
ブラブラと街を歩いていると、○○は突然立ち止まり、その店先に並んでいた花火に目を留めていた
「花火…今夜やってみるか?」
そう声をかけると、花火から目を逸らさずに、小さくひとつ頷いた
たくさんの手持ち花火があった中で、○○が選んだのは線香花火だった
用意した蝋燭から、花火に火を点す
小さな小さなオレンジ色の光が少しずつ玉を膨らませ、やがて花びらを散らせる
わずかな風にでも揺れて落ちてしまいそうなそれを、○○は手のひらで大事に大事に庇っていた
少しでもその命を永らえるように…
花火は次第に小さくなり、静かに静かに、その終わりを迎える
『あっ…』
そよ風にでさえかき消されそうなくらい小さな叫び声を、○○が上げる
「まだあるから…ほら」
ひとつ手に取り、新しく火を点す
芯の玉が大きく膨らみ、やがて優しい火花を散らす
その火花はやがて柳になり、散り菊に移り変わると、○○の目に大きな涙の粒が浮かんでいた
『…っく』
次第に嗚咽を漏らしながら肩を震わせる
こんなときなのに
コイツはまだ、こんなにあの人のことを想っているのに
俺はコイツを奪ってしまいたいと思っている
コイツの中は、まだあの人でいっぱいだというのに
―ダキシメタイ―
自分のものにしてしまいたいと思う俺がいる
でも、それはできない
花火が消えぬよう、ずっと手をかざしているコイツを、ただ見守ることしかできない
少なくとも、今はまだ…
俺は1本手に取り、先端をそっと○○の持つ花火の先に近づけた
その花火から、“命”をもらう
そして俺の花火から、○○はまた火を点す
交互に交互に
そのオレンジ色の灯りが消えることがないよう…
それはまるで
俺たちがいたあの幕末で
あの人の運命を変えようとした、○○と俺の小さな小さな抵抗のようで
少しでも命を永らえようと奔放したあの日々を思い出させた
定められた歴史の中で、儚くも散っていくものとわかっていながら
それが変わるのを覚悟の上での、俺たちの“抵抗”だった
やがて花火は最後の1本になり、その散り菊が静かに終わりを迎えたとき
『…っ…さん…』
○○は小さくあの人の名を呼び、再び嗚咽を漏らした
オレンジ色に点された小さな空間が消え、再び闇が訪れる
○○の心の中も、まだ闇なのかもしれない
あの人の存在はきっと、月日が流れてもコイツの中から消えないだろう
でも、今の○○を愛しいと思うのは、あの人が心の中にいるコイツなんだから
あの人もひっくるめて、俺はコイツを愛しんでいくのだろう
そしていつか、コイツの心にもう一度、この線香花火みたいなオレンジ色の灯りが灯るまで
俺は傍にいる
ただ、傍にいよう
願わくば、その灯りを灯すのが俺であればいいと思いながら…
―線香花火【結城翔太】・完―
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
線香花火/Skoop On Somebody
興味のある方は、よかったら聴いてみてください♪
素敵な切ない曲です
※追記※
このお話に、艶友で素敵作家の寿々花さんが、なんと続編を書いてくださいました!!!
とってもとっても素敵なお話です
…と、リンクを追加しようと思ったら、うまく貼れなかったorz
新しいタグエディタはまだ使いこなせない…
コメ欄に、寿々花さんがコメントしてくださっています
そこから寿々花さんのブログ
<すず日和>の中の、
2人のDIFFERENCE
を、ぜひぜひご覧ください♪