もうすぐ春分です。
春分といえば占星術上の新年。
いわゆる最初の１２サイン牡羊座に太陽が入る瞬間の日という定義です。
では、今年の春分の日、夜空を見上げると牡羊座が見えるか？っていうと見えません。。。
あれれれ！？
あ、夜見えるのではなく昼ではないか！？ということで、昼間太陽の向こうに
ある星座を調べると・・・太陽の向こう側にあるのね！と思いきや、あるのは「魚座」です。
最近では、天王星が牡牛座に入りましたー！とか、も牡牛座の入り口に天王星がいるかと言えばそうじゃありません。
ちなみにわたくしは双子座ですが、実際に私が生まれた時の太陽は牡牛座に近かったはず。
これ、理科を復習すれば明確です。
確かめたい方はこちらのサイトで実際のお空を見てみてください。
https://stellatheater.com/index.html
では、占星術は嘘を言っているのか？というとそうではありません。
実際に動いている星たちは関係ないのか？というとそうじゃありません。
めっちゃ関係あります。
占星術が出来上がった紀元前、確かに春分の日には牡羊座に太陽があったんです。
というか、そう決めたんです。
しかし、地球さんの動きが私達が思っているほど規則的ではなく・・・コマを回した時の倒れかけのようなフラフラっとした動きをするので（＝歳差運動）
すこーーーしづつ、さりげなーくずれちゃったんです。今では１星座（サイン）ぐらいずれてます。
ていうかね、
そもそも、占星術で定義している「１２サイン」って実際の「黄道１２星座」とは違うんです。
だって実際の星座って、星座によって随分大きさが違うわけですよ。
でも占星術で考える１２星座（サイン）って、きっちり３０度づつでしょ？
これは人間が星の位置を計測するために設けられた一つの定規なんですね。
つまりそういった幾何学的なメモリでもって今の星の位置を観察しているのが占星術の世界なんです。
「いやいや、占星術だから、今の星の位置でやるべきじゃないか？」
みたいな発想が出るかもなのですが、占星術は、伝承の技な訳です。
星座の形と、教え伝えられたものはそのままなんです。それらを、今も変わらず天空にあるシンボルとして読んでいくわけです。
昔の町名で読んでいるって感じ。
天文学がベースにはなっているのが、占星術だけど占星術と天文学は文化が違うわけです。
（文化が違うという表現は石井ゆかりさんによるものです。）
そしてこれは、私の感覚ですが、その「地球の歳差運動によるずれ」が象徴しているように、この世の確固たる中心点とか指針ってのは、あってないようなもんじゃないかと。
私たちの人生の指針となる、世界観とか哲学とか、そして思想とかって、移りゆくものであり、ずれゆくものであり、一枚岩で語れないものなのだと思うんです。
もし、占星術が確固たる指針を示してくれたり、思いっきり具体的な予言をするものであるなら
私は扱っていないでしょうし。
つまり正解を求めながらも、それがない世界を旅するのが私たちって好きなんじゃないかな。本当は。
だから占星術自体も「こういうものである！」とは言い切れないところに、魅力があり、そういう揺らぎの中から得ていけるものがあるんじゃないかなーと思うわけです。
これは「占い」というものを扱うプロにとって、とても大事なベースだと思うんです。
悩める人や、迷える人の指針になりたい、と思われるプロの方達は多いと思いますが、でも、そこに正解もないし、その人の人生に正解もない。
でも、確固たる指針を見つけたり、時として、「ううおぉおおお！」という照応を体験することも事実ある。だから探究してしまう・・・そして揺らぐ、探求する・・・小さな発見をしたり、大きな気づきがあったりする。
そんな風に、時として確固たる軸を感じながらも、そんな軸の揺らぎの中で、
存在してないかもしれない真理を探究していければ、人としてこんなに豊かなことはないなと思うのです。
まだまだ、私には謎だらけの占星術。
ただ一つ言えることは、４０００年以上、衰退などもありながらこうして今に語り継がれてきた占星術。
人間の営みが求めてやまないものが、そこにあることだけは確かだと思うのです。
まゆちん
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