いつもと同じ時間、いつもと同じ場所で電車を待っていると、
いかにも"今まで飲んでました、俺"
な雰囲気でお酒の匂いムンムンの若者
(マサヤ←適当。なんとなく。)が、
白いステッキを持った女性にぶつかった。
よろけた女性に、マサヤは舌打ちをしてダラダラと電車に乗り込んだ。
『ムカつくわぁ、アイツ』
心の声が口から出たのかと思ったら、
実際には私の横にいた男性が発した声だった。
マサヤに続いて、私とその男性(石井くん←なんとなく。)も電車に乗り込むと
マサヤは入り口そばの端の席で、脇のポールに上半身をだらりと預けて、
脚を大きく広げて座り、眠りに入る所だった。
私は、マサヤの向かいの席に座って
ちょっとした意地悪をしてやる隙を狙っていた。
石井くんの方を見ると、マサヤが体を預けているポールに手を掛けて立っていて、外の景色を見ていた。
少し経ってふと石井くんの方を見ると
石井くんは噛んでいたガムを紙に包み、それをマサヤが着ていたパーカーのフードへ
そぉっと
ぽいっ。
私は石井くんから目が離せなくなってしまった。
あまりにもガン見する私に石井くんが気付いた。
石井くんは、照れくさそうに笑いながら、カバンから財布を取り出した。
ますます目が離せない私。
石井くんはレシートを何枚か抜いて財布をカバンに戻し、
ピリピリとちぎり始めた。
細かくなったレシートをまたしても
フードへぽいっ。
もっともっと見ていたかったのに
会社のある駅に着いてしまった。
会釈をし合って石井くんとお別れ。
いつもは大嫌いな霧雨だけど、
今日はしばらく止まないで欲しいと思った。
傘を持っていないマサヤが
駅から家路に着く時に、フードをかぶりますように。
Android携帯からの投稿