最近、手を付けてはいけないお金(しかもスーパースターの稼いだお金)で博打をして、逮捕された方がいました。

そこまでしてのめり込むほど、ギャンブルは面白いのか?と理解できませんでした。

もちろん非難されて当然の事です。

 

しかし、オーディオ沼というギャンブルは違います。

バカげた話ですが、本当の勝負とはこういう楽しいものです。

 

 

僕は数えきれないほど機材(ジャンク品限定)を買い替え、買って来たらまずは蓋を開けて、無事に音が出たら大喜びし

予想通り壊れていたら「やっぱりそうか、しょうがないなあ」と、あれこれいじって修理してきました。

そして、置き場所に余裕があるうちはとりあえず手間暇かけて、手に入れた壮大なストーリー付きの機材を

易々と手放すことはしませんでした。

おかげさまで、家の中が沼のように足の踏み場が無くなります。

普通ならジャンク品というと良くて6割くらいの勝率で、そこそこの台数は失敗し廃棄するのですが、

自分の場合は知識でガチガチに武装し、ひたすら情報収集のため、どうしても必要な時間以外すべてを捧げて、ガチガチ銀行レースを繰り返した結果、勝率9割台を維持してきました。

おかげで状態確認、メンテナンスするペースに購入するペースが多すぎて全く追いつかなくなり、

未だにそこらへんから「記憶にございません」アイテムが顔を出します。

(そういや台所のアレ、蓋開けてないな・・・)

 

当然そんな生活をしていると、削るのはQOLです。

床は最低限の通路を確保、機材が邪魔でも自分が乗り越える。

ちなみにそういう生活をしていると、家の中でもバランス感覚が養われ足腰に良いと

真顔で言う人がいました、自分の父です。

 

それでもいよいよ、つま先立ちしながら広い家の中のはずなのに、主たる自分が機械の壁に遠慮して移動することに

ようやく慣れてきたころ、本命のバカでかいスピーカーが手に入る話になり、現実を突きつけられます。

とうとう何かを捨てる(手放す)決断をしないと、物理的に置けない。

これ以上減らすとしたら自分の寝床、ついにスピーカーをベッド代わりにするのか?

頭の中で、消えないテトリスが始まります。

 

 

悩みます。

これ以上手を付けてはいけない、手放したくない機材がそこら中にある。

しかし、それらを手放してでも手に入るチャンスが目の前にある。

しかし、玄関も廊下もリビングも台所も寝室も、押し入れの中も縁側も置き場所が・・・・。

そもそも家の中に入るのか?

 

 

ついに決断します。

縁側に置けばいい、とりあえず入れてしまえばこちらのもの。

何かしら詰まっているが、なんとかなるはず(この間、本体サイズを測ることもしていない)と

追い詰められた末、見切り発車しました。

 

決めてしまうと、人間冷静になれるのか本当はもう手放してもいいや、と踏ん切りがつくものですし

普段、手伝ってくれなさそうな人が目の色を変えて手伝ってくれたり、普段と違う何かが起こります。

そして一度、本当の勝利を味わうともう1回、もう1回と快感を求めて、オーディオ沼というギャンブルを

繰り返し、行きつくところまでたどり着くことができるのです。

 

これがスタックスを3組、アコースタットを1組、QUADを1組買って、今に至る勝負に勝ったお話しです。

ちなみに僕の友人たちも同じ現実に直面し、本当にどうにかしてそれぞれ本命のバカでかいスピーカーを手に入れました。

みんな幸せな顔をしています。