社会のさまざまなところで「制度疲労」が起こり、コンプライアンス(法令遵守)を逸脱した政治・経済のエリート層による「組織犯罪」が噴出している。政党の裏金問題や企業の不正問題など続々とあらわになってきた。それでは動機は何かというと、幹部から成員まで自己と組織が求める「地位向上と資産増大」を効率よく実現するために手を染めたのかーー。
資本主義社会では「地位向上と資産増大」に問題があるわけではない。それは公平公正な環境で求められればベストであると建前では考える。が、実際には出自や縁故や忖度で、公平公正はたもてないと現実を肯定するしかないのか。それとも問題はあると指摘しながらも清濁合わせ飲んで、次の世代へ託すしかないとうそぶくのか。もうそんな余裕はないはずだが。
一度栄華を極めた者たちがおちいる「奢りと保身」。最近で言えば、自民党安倍派のパーティー収入不記載事件とダイハツの認証取得不正問題。悪事と分かっていても、バレないだろうという根拠のない自信。バレなければ犯罪にならないと口を閉ざす。自浄作用はもはや期待できないほど組織の倫理が劣化している。「自分たちさえ良ければ」のオンパレードだ。
先に挙げた「制度疲労」は、数十年前から法律と組織のありようが時代に合わなくなり、その抜け穴を突いて繰り返し行われてきた。法律を変えたとしても彼らはまた抜け穴をみつけるかもしれない。だからこそ内部リーク、外部リークをした者が法律で保護され、社会に役立つという情勢をつくらないといけない。日本はすでに欧米から何周遅れなんだろう。信頼は一瞬で失墜し、取り返すには相当な年月を要するのに。


