今さらながら・・・
先週、東京プリンの相方牧野隆志に会ってきた。
東京プリンの歴代マネージャーを引き連れて。
会話のほとんどは昔話。
あの時はあーだった、こーだった。
僕はずっと彼の顔色を伺っていた。
楽しそうにしていて、少しほっとした。
奴が肺腺癌ステージ4の宣告を受けて、早3年の月日が経つ。
この間、あれほど頑固で自身の主張をなかなか曲げなかった男が、常に周囲への感謝の気持ちを口にし、必死に前を向いて生きているのを僕は見てきた。
如何せん相方なんで、少々口幅ったいが頭が下がる思いだ。
こんなことがあった。
共通の友人が同じ病気、しかも同じステージだと宣告されて、早速二人で奴のところに会いにいった。
ご存知のように癌にはいろんな治療法が存在して、どの方法を選ぶかは本人次第。
癌の先輩である奴に、アドバイスを受けようってわけだ。
しばらく黙って話を聞いていた奴は、「それ、完璧。俺、その薬、使われへんかってん。だからこんなに苦しんでんねん。おまえは絶対治るわ。大丈夫や」と満面の笑みで太鼓判を押した。
友人が安堵している隣で、奴の心の広さに驚かされた。
僕はあんな風に笑えるだろうか。
「人生には限りがあるってわかったからさあ、俺、丁寧に生きようと思うねん」と奴が僕に嘗て語ったことを、今日また思い出した。
限りがあるのは奴だけじゃない。
僕だって同じこと。
どっちが早くこの世からいなくなるかなんて、誰にもわからないのだ。
だったら僕も丁寧に生きなきゃ。
自分に正直に。全力で。
日本を宣伝する
伊藤ようすけ