戦いを終えて⑨
自民党からの指示により、選挙戦途中から積極的に地方を回りました。といっても時間に限りがありますから、ほんの数県ですけど・・・。
その際にお世話になったのは、昨年12月の衆議院選挙で初当選した若手衆議院議員の方々です。
みなさん、お忙しい時間の中やりくりしていただいて、地元の有力者の方々を紹介してくれたり、政治に興味のある学生との懇親会をセッティングしてくれたりしました。
以前にも触れましたが、この体験は僕のこれまでの常識を180度ひっくり返してしまうくらい貴重なもので、50歳にして成長なんて言葉を使うのは何だか照れくさいですが、人としての幅をもたらしてくれたことは間違いないと思います。
この場を借りて、そんな機会を作ってくれたみなさんに改めてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
一方で、彼らの選挙戦について話を聞くうち、現状の政治が抱える問題も実感しました。
知名度のない彼らの選挙戦は基本、ドブ板。公認が決まってから、半年、一年かけて何万軒にも及ぶ家を一軒、一軒訪問し、支持を取り付けていったと言います。ネット選挙に特化した僕が言うのも何ですが、この行為自体はいたし方のないことでしょう。有権者の方がお持ちの貴重な一票を投じてもらうためには、膝を交え語り合い、その人柄と政策を理解してもらうことが最も近道であることは間違いないからです。現に、今回僕がもし比例代表ではなく選挙区からの出馬なら、この戦い方を選んでいたと思います。
ところが問題だと思うのは、このドブ板を彼らが当選した後も続けているということです。
いや、続けることを有権者の方々から求められるといった方が正確でしょうか。
「国会議員になったら、うちには来なくなった・・・」
「落選しても、家に来てくれる民主党の人は偉い」
といった声が彼らの耳に届くというのです。
だったら、行かざるをえません。なぜなら、彼らは次の選挙でも勝ちたいと思うからです。
でも、本来の彼らの仕事はこの日本という国を少しでもよくするために、知恵を絞り、議論を重ね、新たな法律を作ることです。
もちろん、そのためには有権者の声に耳を傾けることは大切です。でも、そればっかりではいいはずがありません。
わずかな時間ではありましたが、共に時間を共有することで、僕は日本の国会議員の方々、特に若手には優秀で高い志を持っている方が多いことを実感しました。同時に、そんな彼らが存分に力を発揮できないのは、実は我々成熟していない有権者の方に問題があるのではと考えるに至ったのです。
国会議員の仕事は地元に腰を据え、冠婚葬祭に顔を出し、この時期には各地で行われるお祭りのはしごをすることじゃないと思うのですが、いかがでしょうか。
日本を宣伝する
伊藤ようすけ