戦いを終えて①
「ネット選挙の実験台」「ネット選挙のお試し候補」。
マスコミからこう揶揄される中、僕の無謀な戦いは始まりました。
ゴールデンウイークが明けた頃です。
あえて無謀と表現したのは、選挙について僕にあまりに知識がなかった故です。
もちろん3度行われた自民党との面接で、「どうやって票を集めるつもりか?」との問いかけに「ネットを使って票を集めてみせます」と答えたのは他ならぬ僕ですから、そんな報道に異論を唱える資格はありません。
ただ、従来型の選挙戦について無知だった僕にとって、これほどマスコミが騒いだことには正直驚きました。
従来型の選挙に違和感を感じる一方で知名度も、支持母体もない僕にとって、今回はじめて国政選挙に導入されたネットを利用する戦い方は、別に大して頭を悩ませたわけでもなく、自然に行き着いた手段だったからです。
早速、某テレビ局と某新聞社が、僕の活動に密着することになりました。
来る日来る日も、僕の姿をカメラでおさめ、事あるごとにマイクを向けるのです。
おかげで、当初は「日本の文化を世界中の人に向かって宣伝したい」「世界中の人に日本に興味を持ってもらいたい」という志を持って立候補を決意したにもかかわらず、想像していなかったプレッシャーがのしかかってきました。
万一僕の願いが叶わなかった暁に、「ネットユーザー=若い人たちはやっぱり選挙に行かない」と世間が、いや永田町が決めつけてしまうんじゃないかというプレッシャーです。
何を自意識過剰な・・・と思う方もいらっしゃるでしょう。
今、振り返ってみると僕自身もそう思います。
でも現実、あの時の僕はそう感じてしまった・・・。
そんな恐怖を振り払うために、僕は一心不乱で選挙戦に挑みました。
そういう意味では、マスコミの方に、感謝しなければならないのかもしれません。
皮肉な話ですが。
続く・・・。
日本を宣伝する
伊藤ようすけ