1973年12月公開の「日本沈没」に続く、1974年8月に公開された特撮スペクタクル大作。
私のお気に入りです！
当時は五島勉のノストラダムスブームに乗って、ゴールデンタイムでテレビ特番が放映されたり、映画公開に沸いていた興奮を思い出します。
残念ながら本映画は現在、問題表現に関する自粛から、DVD等が正規に販売されていない「封印作品」としても有名です。
しかし、初公開時に劇場で観た少年としての感想は、破滅のイマジネーションあふれる特撮シーンの連続に、台風の時のようなワクワクドキドキの楽しさ。
時にキッチュな特撮シーンも、照明の加減などで時にはリアルな一瞬も感じたり、ミニチュア特撮を楽しんだり。
大ブームの世紀末滅亡論の怖さ、ニューギニア奥地の惨劇の場面では嫌な後味を感じつつ、見世物小屋の胡散臭さも合わせて感じながら、怖さ倍増。
やはり核戦争で滅亡の道へ－。
今見なおすと、ラストに希望を託したメッセージを添えて終わる部分も感じ良くて、ますます気に入ってしまいました。
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時に1999年－。
工場排煙による大気汚染でぜんそくが蔓延、鳥は次々に落ち、廃棄物による海洋汚染で海は魚達と共に死に、食品添加物や薬物によりきけい児が増加、日本では、いや、世界では数々の異常現象が発生。
環境研究所長の西山（丹波哲郎）は、代々引き継がれた「ノストラダムスの予言書」を引用しながら、人類は自然破壊を止めるよう学者の立場から訴え続けていた。
しかし、異常現象はエスカレート。
地下鉄構内に一夜にして繁殖した巨大植物、異常気象はエジプトに雪を降らせ、ニューギニア奥地の急激な放射能汚染は動植物や原住民に異常を与えていた。
そして、飛行中のSST機の相次ぐ爆発は、オゾン帯を破壊。紫外線の直射により人の皮膚はただれ、山火事が発生。北極では氷山が溶け流氷が南下。
異常高温による世界各地の食糧地帯の干ばつは、食糧不足の事態を招き、食糧確保のために市民は暴徒と化し、まさにノストラダムスの予言どおり、世界人類は滅亡へと向かいつつあった。
西山は、国会で世界に向けて「世界戦争による人類滅亡とその後のイメージ」を説く。
全国民に、全世界の人々に向けて総理大臣（山村聡）は、「物質文明に終止符を打ち、全世界の人々とともに困難な闘い抜こう」と訴えた。
国会議事堂を背に歩く西山、娘まり子(由美かおる)と婚約者のカメラマン中川(黒沢年男)の三名に、メッセージが。
これは虚構の物語である
だがたんなる想像の世界ではない
こうあってはならない－－－
それが我々の願いである
今、地球温暖化、異常気象のニュースを見るたびに本作を思い出し、さらに－
この夏の猛暑に、曇り空を見上げては、「空の光化学スモッグに地上を映し出した」名シーン（上図）を思い出してしまうのでした。
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製作：田中友幸、田中収
監督：舛田利雄
原作：五島勉『ノストラダムスの大予言』（祥伝社 1973年）
脚本：八住利雄
音楽：冨田勲
特撮監督：中野昭慶
出演：
西山良玄、西山玄哲、西山玄学：丹波哲郎
中川明：黒沢年男
西山伸枝：司葉子
西山まり子：由美かおる
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植物学者：平田昭彦
動物学者：小泉博
環境庁長官：鈴木瑞穂
官房長官：内藤武敏
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病院長：志村喬
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総理大臣：山村聡
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予言の声：岸田今日子
英語版：
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