友人が送ってくれた本「コロナと向き合うー私たちはどう生きるか」(婦人之友社から、緊急出版だ!)

15人のひとが意見をのべているが、
私は、辻信一の
「緑の力という希望」が、大ウケであった❗️

「ヴィリディタス」、という言葉が、日本語では、「緑の力」と訳される。
12世紀のドイツの修道女、ヒルデガルド・フォン・ビンゲンがつくった言葉だそうだ。

ヒルデガルドから伝わった植物療法を教えて、実践する、療法士のペーター・ゲルマンは、緑の力をこう定義する。

「生きている植物の、その生きる力」

「部分の寄せ集めではない命の全体に及ぶ聖なる力」

あやしげ、とおもわれても仕方ない。

「生命力」の「生命」も、「力」も、科学のわくの外だ。

「緑の力」もそうだ。

植物、生物、だけでなく、そのすべての絡まりあった生命力わまるごと受けとるのが、本当の「食」だ。
いま、人間が自然を破壊しているのは、人間が強すぎる。自然の中にある、免疫システムも、破壊されてしまったのではないか、と辻さんはかく。

「緑の力」を、日本で、実践した例がのっている。

C・W・ニコルは、日本で、荒れ果てた山林を買い受け、30年かけて、生態系豊かな里山へと再生を試みる
故郷ウェールズにちなんで、「アファンの森」と名付けたそこには、多くの生き物がまいもどり、多くの人びともやってきて、活動した。
ニコルにいわせると、「森の再生」は、「人の再生」であった。
ニコルは、ウェールズの祖父母のところで育った。森の好きな祖母は、ケルトの伝統をひく、「魔女」のような人だったという。

ニコルの作品には、この祖母のことがでてくるものがある。

私は、今年は、魔女の話をよく読んだ。
西村佑子の「あなたを変える魔女の生き方」が、今も手元にある。

西村佑子は、ドイツの魔女を研究した。

「西の魔女が死んだ」「裏庭」をかいた梨木香歩は、イギリスの魔女を書いてみたのだろうか?

ことしの
数ヶ月、毎日新聞の日曜版に、彼女の随筆がでていた。現在の日本の医療のことが、あまりにもナイチンゲールの理念とかけ離れていた話。八ヶ岳の自然、植物他の、生き物の話。彼女は「緑の力」という言葉を知っているようだが、私の読んだ部分では、出てこなかった。見落としたかも。

しかし、梨木香歩は、日本で、ひとりの魔女として存在しているように思えたのである。

魔女の原語は「ハガスサ」で、「塀の上に座る者」の意味がある。

魔女は、あちらとこちらの、二つの世界を行き来するものだという。「知られている世界」と、「知られざる世界」。(このことは、辻信一も、ほかの魔女研究者も書いている)

科学だけが世界ではない、と思い知った気持ちである。