漫画家を目指す若人へ | 伊藤三巳華の恐怖新聞2

漫画家を目指す若人へ

私自身、漫画家として今でも悩んだり

偉そうなことを言える立場にないことは

わかっていて、このように上から

物言いをするようなブログを上げることを

悩みましたが、

過去、漫画家を目指し、孤独で

誰に聞けばよいのかわからない

あの漠然とした不安に

夜な夜な悩んでいた自分へ

そして同じように悩んでいる方へ。

少しでも役に立てればと願って

私の経験から得たことを書きますね。



漫画家になること。

デビューすればすぐ連載だと思ってた

若かれし日。 

でも実際はその後、ネームコンペを経て

何本か読み切りで数字と実績を勝ち得、

ラッキーにも連載に漕ぎ着ける。

というのがスタンダード。

もちろん、天才は即連載。

そのまま花道を歩くだけの漫画家もいます。

なので、私が天才じゃないと気がつくのに

そんなに時間がかからなかった。

何度も何度もネームを直される日々を送って、

どうしてネームが通らないのかもわからない。

自分が天才じゃないことに泣きたくなる。

天才じゃないならもう私が漫画家で売れるなんて無理なのではないかと、

自問自答して落ち込むだけの夜。

だけどもう戻れない。
というか、戻りたくはなかったし、
自分を信じていたかった。

でないと自分が可哀想すぎる。

と毎日葛藤をしてる過去の自分に

言ってあげたい言葉が

今の私にはある。




漫画は天才が売れるのはもちろんだけど、

いろんなチャンネルがあっていい世界なんだよ。

だから、あなたの個性のチャンネルを

あなたらしい作品を追求して、

オンリーワンであればいい。

だから今、悩んで自分と葛藤してるのは

全然むだではないの。

存分に自問自答し、自分を監察してほしい。

そしてネームも、監察する冷静な

もう一人の自分の目を作れれば、

なんかココおかしいなという部分が

見えてくるようになるものだよ。


そして何度出しても突き返さらるネームに

編集さんへの不信感がつのることもある。

だけど、これだけは知ってほしい。

どんなにボロクソいう編集でも

あなたと着地点は同じ。

あなたのネームをよりよい漫画にしたいんだよ。

それだけわかっているだけでも、

きっと打ち合わせへの気持ちが変わると思う。



あの時、私を支えてたのは

若さと野望だけだったと思う。

若いから100%でなんでも全力投球して

無駄に編集部に通った。

今思うと汚い格好の私がしょっちゅう

編集部内をうろうろしてたことが

身分もわからないで恥ずかしいと思う。

けど、どう努力すればよいか解らず

とにかく編集部に勝手に入り浸る私を

許してくれたのは、

何かにがむしゃらになってる人を

馬鹿にする人は

ここにはいなかったからと思う。


多いに悩み。多いに間違えていた自分。

そして、同じように孤軍奮闘し、

悩み、闇雲な漫画家志望の若人へ。

その絶望は未来への階段だ。

その恥は己の武器だ。

その被害妄想は今の敵だ。

泣いても喚いてもいい。

一縷の望みにかけるあなたの勇気を

自分で褒めてやってくれ。

その姿を笑う人は、

あなたが飛び込んだ世界にはいない。

ようこそ\(^o^)/

これが漫画業界ですよ。


だから、多いに悩むように!

(^-^)