ヒー イズ ア マイ ヒーロー | 伊藤三巳華の恐怖新聞2

ヒー イズ ア マイ ヒーロー

先達て、旦那クンの姪とチャットしました。

私も仕事で丁度PCの前にいたので、
それと現在、旦那クンがスリランカなので
近況なんかを話していました。

彼女は17歳。
社交的で元気なお嬢さん。

彼女が私に言いました。

「  ヒー イズ ア マイ ヒーロー  」

“  おじさんは私のヒーローなんだ  ”


おじさんとは旦那クンの事。

焼き鳥をバラバラにしてカレーにする
旦那クン。

よくいろんなものを落としてくるし、

真冬に夏用のクーラーTシャツ
真夏にヒートテックを着ても気がつかないし、

最近は、薄毛を気にしてスポーツ刈りに
しようとしてMCハマーみたいになってたり、

全身赤のコーディネートで
ゴブリンみたいになったり、


私はしょっちゅう冷ややかな眼差しを
彼に向けているが、

そんな旦那クンは姪っ子にとっては
ヒーロー。

姪ちゃんは続けて言いました。

“  私が困ってるといつもおじさんが
助けてくれる。

ある日おじさんが私に

「ユー アー マイ プリンセス 」

と言ってくれた。

私は嬉しくて、幸せで
涙が止まらなかったのを覚えてる。

私はおじさんみたいになりたい。

だから頑張って勉強して日本に行く。

これは本当に大きな私の夢。

外国に行くのは怖いけど、
私はいつかおじさんみたいに
外国にいってみたい。”


姪ちゃんが小さい頃から、
旦那クンと一緒に住んでいて
旦那クンが子守をしてたと聞いていた。

彼女にとっては、
旦那クンはずっとそばに居た
大きな優しいお兄ちゃんだったんだろう。

そして彼女がビックガール(11~13歳)
の時、
ポロンナルワという田舎町から
日本に行くという旦那クンを

きっと、すごいなって
見送ったんだろうなって。


私は彼女の言葉を聞いて思った。

誰だってどこかでは
誰かのヒーローなのかもしれない

でも隣人はそうとは気がつかず
暮らしている。
コーヒーをこぼしたこぼさないで
怒りながら。

私の中で遠い記憶をさかのぼって

私も姪ちゃんに答えました。

「私たちが初めて会った時、

私も彼がヒーローに見えたかな。

初めはスリランカもわからない私は
彼がデートにターバン巻いてきたら
どうしようかと思ってた。

でも、現れた彼は今時のスタイルで、
東京の地下鉄を乗りこなしてた。

私はその時、
彼が世界を見てきてるんだって
気がついて

自分の小ささを解ったんだ 」



ヒーローの痕跡はきちんと見れば
見破れるヒントがどこかにあるんだろう。

だけど近くにいると
アラばかりが目について
痕跡なんて、気がつく暇もない。

だけど今度からは
冷ややかな眼差しを向ける一方で

“ この人もどこかではヒーローなんだ ”

って思える。

そうしたらもう少し寛容になれるかな。


姪ちゃんの言葉に感謝した話でした☆