真夜中の憂鬱 | 伊藤三巳華の恐怖新聞2

真夜中の憂鬱

伊藤三巳華の恐怖新聞2★


こんばんわ。 今日はおとといあった出来事のお話です。


深夜3時頃、友人との電話を切った後です。


コツコツコツ・・・・玄関前の通路を歩く靴音が響きます。


コツコツコツ・・・と二階へ


コツコツコツ・・・と三階へ。


あきらかに行ったりきたり。


おかしいなと思ったけれど。


それがおかしいと確信したのは私のドアノブがガチャガチャと音を立てた時。


息が止まった。


だって。私の住むマンションの隣の・・美人姉妹の家には

姉妹の妹が部屋にいる時に堂々と窓を割り

頭と口元にタオルを巻いた強盗が入ってきた事件があったからだ。

その時妹さんはあわてて玄関から出て持ってた携帯で110番して事なきを得たが

その強盗が捕まったかは未ださだかではない。


そしてつい最近も、一人暮らしの女性を狙って強盗殺人事件が近所で起きていて、


その建物と今の私のマンションの建物が似ている・・・


私は1人 直感で隣に入った犯人とその殺人犯は同じ犯人だと思ってるが・・・





ー私は息を殺したままドアにある小さな窓を覗いた。


そこには見たいことない男の後姿。


となりは姉妹二人に、逆となりは会社になっててみんな顔見知りの現代では珍しく(?)

ご近所付き合いもしてる仲。


けど、このがたいのいい男は??


私は慌てて110番をした。 もちろん見たこともない男の人がうろついて


私の家のドアノブをいじって未だうろついてると通報した。


警察はすぐ伺いますと言った。けどすぐなんて来るとは思ってない。


ので玄関と部屋の窓から音がしないか緊張しながら待った。

まさかまさかがおきないように。。心から祈った。

そして耳だけが異様に敏感になっていた。




“ カツン! ” 


やっぱりドアの前から音が鳴ってる!


“ カツン!” “カツン!”


・・・・増えた・・?


“ おい、大丈夫か?? ” “ 大丈夫。だいじょうぶ。”


・・・そこにオンナの人の声が混じった。そして足音は3人になり・・・

どうやら酔っ払った隣のおねぇさんのどちらかを送ってきた紳士たちが、

途中でどの部屋かわからなくなって探してたそんな男の足音だったようだった。


大丈夫?といいながら隣の部屋になだれ込んだと思われる音がしてドアが閉まった音で辺りが静かになる。


せっかく駆けつける警察は未だ来ておらず私は1人部屋で待って

そのうち警察が来てマヌケに 「 通報した方ですね?大丈夫ですか? 」というから


こっちもマヌケにも 「あの。。勘違いでした・・実はかくかくしかじか・・・」と謝る。


・・・なんとも・・どっと疲れる事件だ。


私は警察官におじぎをしてドアをきちんと閉じてロックして


電気を消してベットを向かおうとした。


・・・ビクッと隣の部屋の気配に驚く。


・・・・黒い背の低い男がいる。


・・・・またいる。


具合が悪いと良く見える。 気の小さい・・・幽霊だ。


「 おどかすなよ・・・」


私はそういい捨てて彼を放っておいた。


よっぽど生きてる人間が家にいた時の方が怖いに決まってる。

そんなの当たり前だ。



けど。


誰も彼が死んでるとは言っていない。

反対に生きてるとも言っていない。


けど、こころなしかその黒い背の低い男の髪はボサボサに伸びていっている気がする。









・・・・伸びきったらどうなるのだろう??