熊野古道(中辺路)を歩く2

第2弾です、前記事の続きになります。
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さて、その湯川王子では、
ある団体さんがバーナーをお持ちになっていたようで、
珈琲ブレイクしてました。
珈琲のい~い香りが木の香りと混ざり合い、
なんとも芳醇なアロマ効果が。
ホットコーヒーか~

うらやましさを尻目に、私は足のまめのテーピングをする。
豆は豆でもこちとら足のまめ・・・(彡(-ω-;)彡)
皆が持っているトレッキングポール(棒)なるものを、
次回は絶対持ってきたる~、と思いながら歩いていましたが、
今、なんなくそこに、バーナーも追加されました。
そしてその場にだんだん馴染んできて、団体さんとも声を掛け合うように。
靴のはき方など教えてくれたり、短い間でしたが、
楽しく過ごせ、よし、又登ろうという気になってきます。
あるカップルは男性の靴が大破したようで、
ソウル部分がべろ~んとはがれてしまったようです・・・
しかし愛の力でなんとか乗り切れる!!
と励し、┌(=゚Д゚)ノ 出発しんこー。
ここから先はつづら折れの登り坂、
標高550メートルを駆け上がってしまえば、
あとはほとんど下り坂、と自分を励ましながら
三越峠に到~着。

ここは関所だったのですね。
あとは長~い下り坂。
楽かと思いきや、下りの方が意外に足の筋肉を使う。
カクカクになること間違いなし・・・
地図では船玉神社がすぐの所にあり、
途中、音無川に沿って進む道は、せせらぎが穏やかで
もみじが綺麗で、道も平らで極楽でした。

そしてこの日、船玉神社では住民の方が集まって
祭りが催され賑わいを見せていました。
船玉神社とは船を祭る神社。
山なのになぜ?
紀州の材木は奈良時代から良船の材料として使われていたそうで、
神様が始めて作った船が熊野の木とされているいるのが
由来になっているそうです。
そうここは、木の国 なのだから。

お参りして、進みます。
この時点でお昼を少し過ぎていて、お腹はぺこぺこ、
前後して歩いていた大阪のご夫婦は、
頑張って発心門(ほっしんもん)王子まで一気に、
ということでしたので、私も頑張ることに。
そして「発心門王子まで、0.4キロあと10分」という看板がっ!!
しかもけっこうな登り。
そして気がつくと道は開け 鳥居 が。
この鳥居が本宮の聖域への入り口とされている。
発心門王子から本宮までは、(あと2時間~3時間)
今までの道とはちょっと趣が違います。
ここまでバスで登ることができ、
本宮までの初心者コースにもなっていて、人気が高いルートです。
早速、ここでお昼を頂く。

今まで前後して歩いていた人達が続々到着。
皆さん、くたくたのご様子で、背の荷を下ろして、
きりかぶや地べたにベタ~と座り込む。
そうこうしていると、どこからともなく、
やけに軽装のおばちゃんが現れ、
「あなた方、どこから来た?」と声をかけはじめる。
そのしゃべりっぷりに、そこにいる人全員が、
知らない間にこのおばちゃんの語りにひきこまれていた

「この先の伏拝(ふしおがみ)王子の茶屋が、今日は空いているそうだから、
温泉の水で出した珈琲が飲めますわ。

と言った。
一瞬にして、ここにいた人全員の目が



私、おにぎり食べてましたが、

大阪からの団体さんの「ほんじゃ珈琲飲みいこかっ

俄然、皆元気になって、さっきまでの、でろ~んとなっていた状態が嘘のよう。
ほんと、木の下でカップ4状態でしたっw。

先に何かがあるということがわかると、
人の精神力ってこんなに立ち直れるものなのですね~。
これは人生にもおおいに使える。
しかし、このおばちゃんは、一体・・・
観光地によくいる情報屋の風貌は、大黒さまに似ているような気がする。
今になっておもえば、リュックが、大黒さまの袋にみえてならない。
いや、もしかしたら、このおばちゃんこそが・・・・・、
やたがらす!?だったのか。。。
※ やたがらす とは 熊野国から大和国への
道案内をしていたとされるカラス。
不思議な気分になった。。。。
茶屋まで3.3キロほどの道のりは、山の斜面に茶畑があるのどかな農村で、
農家の人が作業をしている前を通り過ぎる。
しばらくアスファルトなので、日照りが堪え、喉はからから。
茶屋はまだかな~

いくつかのこのような、はりぼてアートを楽しみながら進みます。
「呑んだら乗るな 呑むなら乗るな」と、言うてます。
「いのち輝け」とも。
おー、茶屋に着いた!!

すでに大盛況。
茶屋というにはあまり風情はないが、気にすることもなく、
店の人に笑顔で迎えられる。
一足先に到着していた大阪のご夫婦と相席させていただき、
アイスコーヒーを頼む。
ご夫婦はいろいろな山を登っておられて、
高野山や、那智方面のことなどいろいろ教えていただきました。
夫婦でこういう所へ一緒に来れるというのが、素晴らしいです。
山は最初は奥さんの趣味で、旦那さんは全く興味がなかったそうですが、
いまとなっては旦那さんの方が率先されているそうです。
そういうこともあるのですね。
密かに感動(羨)
そしてこのお店はとてもサービスがよく、
生の茶の葉の揚げたての天ぷらが出てきたり、
(これがうまかった)珈琲にはお菓子がついてきたり、
そして値段はなんと150円!!安っ、うれしい!!
おかげですっかり元気を取り戻し、
ここから先は大阪ご夫婦と本宮までご一緒させてもらうことに♪
茶屋を後にし、ほんのちょっと歩いていくと、
またも、なにやら風情のある茶屋らしきお店が・・・
そして「温泉珈琲200円」という看板がっ!!
え~~!?
こっちが正真正銘の、
さっきのおばちゃんの言うてたお店だったんかいっ!?

なんや、さっきの店に騙されたんかー!?

(あとからくる大阪の団体さんの反応も見てみたい~っw!!)
温泉珈琲飲みたかった~!!
しかし騙されたにしても、
先ほどの店はサービスよかったし、しかもこっちより安いし、
まあ、いいか。。。という気にはなるものの・・・
あの状況では、手前にある店の方に入ってしまうのが人のサガ。。。。
前の店で珈琲飲んでたカップルが、この店でも珈琲飲んでましたw
悔しいから入ったろ~、というやけくそ感が、みえなくもなかったですが、
二人はラブラブで穏やか~なカップルさんでした。

私たちは、まんまと騙された~、やられた~と
散々言いながら(笑)先へ進みます。
発心門からの道は今までとちがい、道幅もあり、歩きやすくなっていて、
ほんとにゆったりした気持ちで歩くことができました。
途中「ちょっと寄り道」という看板のある展望台からの風景。
明治22年(1889年)の水害まで、熊野本宮大社は熊野川・音無川・岩田川の
3つの川の合流点にある「大斎原(おおゆのはら)」と呼ばれる中洲にあり、
今でも鳥居が残されています。
鳥居がなければただの風景、
鳥居があるからなんだかすごい。

絵的にもタロットカードでいうと「世界」な感じ。

四方に四元素の使いを構え、鳥居はこの中心の人。
大斎原(おおゆのはら)は「森の卵」のようだ、と形容されている方がいましたが、
なるほどリースが卵の形にもみえる。
寄り道してよかったね~。
と展望台を後に、いよいよ本宮まであとわずか、
緊張にも似た期待感とクライマックス感が込み上げてきます。
中辺路ルートから本宮に入るときは正面からではなく、
裏から入るようになっているので、正面の方へぐるっとまわるようになっている。
ついにその裏の鳥居をくぐった時、
太鼓の音がどーんどーんと鳴り響いていて、正面の賑わいを感じさせました。
日が暮れるまでに到着できた安心感と、
旅の終わりの名残惜しさとが混ざり合い感無量でした。
主祭神とする家都美御子大神(けつみみこのおおかみ)
別名:熊野坐大神(くまぬにますおおかみ)=須佐之男命(スサノオノミコト)とされていますが、
太陽の使いとされる八咫烏(やたがらす)を神使とすることから太陽神とする説、
中州に鎮座していたことから水神とする説、又は木の神の説、
本宮はその全てなのではないかと思います。
無事旅を終えることができたことに感謝しながら参拝。
社は渋くて重厚感と迫力があってかっこいいな~と言いながら、
3社すべて眺められる端へ寄り、皆で社をしばし眺める。
じ~んときました。
参拝を終え、
本日の宿は湯の峰温泉へ行かれるご夫婦とはここでお別れです。
私は川湯温泉へ。
旅の一期一会は、巡り会えた喜びと、別れを惜しむ切なさと、
出発から見出す希望とが混ざり合い、独特な感情を呼び起こします。
だから旅はやめられないのかもしれません。
女の一人歩きを心配して声をかけてくださったご夫婦に感謝します。
さあ、今日の宿、川湯温泉まではバスでそんなに遠くはない。
熊野サイダーを飲みながら疲れを癒すことにしょう!!

そしてここまで読んでいただき感謝します!!
長くなったので、次回は川湯温泉レポ~トします!!
たまたまホテルの風呂が混浴露天風呂でしたので

