世のため人のため~“メガホン侍” 伊藤央

世のため人のため~“メガホン侍” 伊藤央

代議士秘書10年、山口県防府市議6年。現在は東京都小平市議(2期目)。地方から日本を改新し、世界を救うことを目的に活動中。日々街頭に立ち、思いと政策を訴える“メガホン侍”。

 

オレンジ色地に青色の三角形のこのマークは「特殊標章」と呼ばれるものです。
ジュネーヴ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(第一追加議定書)において規定されるもので、 国民保護措置に係る職務、業務又は協力を行う者及びこれらの者が行う職務等に使用される場所若しくは車両、船舶、航空 機等を識別するために使用すること ができ、それらは、ジュネーヴ諸条約及び第一追加議定書の規定に従って保護されます。

「国民保護」とは?

「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」いわゆる国民保護法では、武力攻撃事態等において、武力攻撃から国民の生命、身体及び財産を保護し、国民生活等に及ぼす影響を最小にするための、国・地方公共団体等の責務、避難・救援・武力攻撃災害への対処等の措置が規定されています。

どの市町村にもある「国民保護計画」


 

この国民保護法によって従って、各市町村では「国民保護計画」を策定することになっています。
小平市においては、平成19年に「小平市国民保護計画」が策定されいます。
しかし、残念ながらほとんどお飾りのようなものになっていて、計画に定められているのに、やっていないことが山ほどあるのです。

小平市国民保護計画の中では「市は、都及び関係機関と連携しつつ、住民、地域の団体、事業者等に対し、広 報紙、パンフレット、インターネット等の様々な媒体を活用して、国民保護措置 の重要性について継続的に啓発を行うとともに、住民向けの研修会、講演会等を 実施する。また、高齢者、障がい者、外国人等に対しては、点字や外国語を使用 した広報媒体を使用するなど実態に応じた方法により啓発を行う。」ことになっています。

ですから、冒頭の「特殊標章」などについても、市民に広く周知しなければなりません。
しかし、本年2月9日に伊藤が国民保護計画についての一般質問を行うための通告書を提出した後、2月20日に初めて特殊標章について市ホームページに掲載されたというのが実状。
多くの市民が、特殊標章や国民保護計画の内容を知らなくて当然です。

 

 

計画は不断に見直さなくてはならない

上の写真にある小平市国民保護計画の表紙を見ても分かる通り、計画は平成28年3月に変更された後、変更されていません。
計画には「市の国民保護計画については、今後、国における国民保護措置に係る研究成果や 新たなシステムの構築、都国民保護計画の見直し、国民保護措置についての訓練の 検証結果等を踏まえ、不断の見直しを行う。」と定められているのにも関わらず。
法で定められているとは言え、市が自身で決めた計画を守っていないと言わざるを得ません。

計画の第4章には「市の地理的、社会的特徴」として、市の地形や気候、人口分布などのデータが掲載されていますが、例えば人口データは未だに平成26年版統計書、つまり10年前のものが掲載されています。

 

 

 

計画棚ざらしの背景に政治的要因が?

 

防災については党派を超えて「取り組むべき」という姿勢が見えますが、実は国民保護については共産党など特定の政党は熱心ではない、というか否定的です。
武力攻撃事態を想定することも許さないという態度に見えます。
小平市においては、立憲民主党、共産党、生活者ネットワークが市長与党を構成していることが、計画遂行の足枷になっているとしたら許されることではありません。

本氣で市民の命を守るつもりがあるのか

防災については市報でも特集記事を組むのですが、国民保護についても同様にやるべきだという伊藤の提言を市長は拒否しました。
学校における特殊標章の周知・啓発についても教育委員会は「やらない」の一点張り。
本氣で市民の命を守ろうという意思があるのか疑わしく思えます。

市民の身体、生命、財産、そして生活を守るということにおいて、自然災害からであろうと、他国からの武力攻撃からであろうと、その重要さに変わりはありません。

前述した通り、小平市国民保護計画は市が自身で策定した計画です。
そこで定めていることを明らかに怠っているのは、行政そして失格

計画を不断に見直しながら、着実に計画を進めることを今後も提言し続けます。

6月定例会最終日

様々な議案の採決が行われました。
我が会派のみが反対した議案がいくつかありましたが、中でも採択された二つの意見書については本当に幼稚で小平市議会の一員として恥ずかしい限りです。
なぜなら、我々が反対しようが、採択されれば我々も含めた「小平市議会」から出される意見書となるからです。

意味のない意見書 第一弾

一つは「パレスチナ自治区ガザ地区における即時停戦と人道支援のためのさらなる外交努力を国に求める決議」
求めているのは「イスラエルとハマスをはじめとする全ての当事者及び国際社会が、人道目的の即時停戦、国際人道法を含む国際法の遵守、人道支援物資の供給による人道上の危機的状況を実現するよう、国会及び関係行政庁にさらなる外交的努力を尽くすこと」

一見、良いことのように思えるでしょう。
しかし、外務省は今年2月の時点で「ガザ地区における人道状況の悪化を受けた緊急無償資金協力」と題した報道発表を行っていて、その内容は

「2月27日、日本政府は、パレスチナ・ガザ地区での戦闘が長引く中で、現地の人道状況が看過し得ない状況にあることを踏まえ、新たに3,200万ドルの緊急無償資金協力を実施することを決定しました。
1.今回の協力では、国連世界食糧計画(WFP)、世界保健機関(WHO)、国連児童基金(UNICEF)等を通じ、食料、保健等の分野で人道支援を実施します。
2.日本政府として、引き続き、全ての当事者に対し、ガザ地区における人道状況の改善や事態の早期沈静化等に向けた外交努力を粘り強く積極的に続けていきます。

というものです。
今回の意見書で求めていることを外務省は既に「やる」と言っているのです。

意味のない意見書 第二弾

もう一つは「有害性が認められている一部有機フッ素化合物(PFAS)汚染から小平市民の健康を守るために、早急な対策を求める意見書」
こちらで求めているのは
「1.国内外の最新の科学的知見を集め、PFOS等に関して健康に影響が出ることが考えられる血中濃度を早急に決定し、国民に対する情報発信に努めること。
2.現時点で必要と考えられる健康調査を実施し、データを蓄積すること。」

しかし、6月25日に内閣府の食品安全委員会において、PFOSやPFOAの健康影響を評価して、食品や飲料水からの1日当たりの接種許容値(専門用語では耐容一日摂取量【TDI、Tolerable Daily Intake】)と共に、詳細な食品健康影響評価の結果である、いわゆる評価書が取りまとめられ、翌26日には食品安全委員会のホームページでその評価書等の資料とともに公表もされています。

政府からすれば「やってますけど」と言うしかない内容の意見書ということになります。

小平市議会が凄いのは、こういう意見書に国政与党の自民党系会派や公明党が賛成してしまうところです。

本当に市民の健康を守ることが目的なのか

前述の評価書の242頁には『血中濃度検査では、その時にPFASが血液中にどれくらいあるか、ということしかわかりません。ヒトがPFASを食事や水などから摂取した後、さまざまな臓器への分布、代謝や排出などを経て、血液中にもPFASが一定量ある、という状態です。つまり、血中濃度は摂取した量や時期、代謝の個人差などの様々な要素を反映したものであり、健康影響そのものではありません。PFASの健康影響を検討するには、PFASの摂取量と、血中濃度、健康調査、という3点セットが必要です。われわれは血中濃度を軽視しているわけではなく、評価書でも海外の論文に記載された血中濃度を記載しています。ところが残念なことに、国内では健康影響と血中濃度の両方を調べた研究は、北海道スタディを除いてほとんどないのです。今回の評価書では北海道スタディの結果はすべて詳細に紹介しました。』

『長期のフォローアップも重要です。とくにがんは、今日摂取して明日発症する、というものではなく、10年後、20年後に影響が見えてくるものだからです。しっかりとした調査計画をたて、目的や対象者、実施方法、長期的なフォローアップ体制まで検討したうえで、血中濃度を測ることが、適切な対策につながると考えています。』

という姫野座長の意見が記載されています。

この意見書の内容は市民の健康を守るためよりも、「とにかく血中濃度の基準値を決める」ということに拘っていて、むしろ、誤った対策を誘発することも懸念されます。

「意見書を出すことを求める」という謎の請願

この意見書の基となったのは「有害性が認められている一部有機フッ素化合物(PFAS)汚染から小平市民の健康を守るために、早急な対策を求める意見書の提出について」という市民からの請願です。

つまり、市議会に対し、「国や都に対し、意見書を出せ」という請願でした。
請願を提出するには紹介議員が必要なのですが、ならば、紹介議員が最初から意見書を提出すれば良い話です。
なぜ、そんな回りくどいことをするのか。

「市民には請願権がある」

もちろん、日本国憲法で保障される基本的人権の一つであることは知っています。
市民の健康を守ることよりも権利行使を目的としているように見えてしまうので。
残念ながら、権利を行使するために市民の健康を阻害してしまう可能性すらあります。

紹介議員の意味

万が一にも請願を出すこと自体が目的、もしくは、「自分たちの請願で市議会に意見書を出させた」という実績づくりが目的なのであれば、たまったものではありません。
議員が議論する時間、そして理事者を拘束する時間は全て、市民の税金によって賄われていると言えます。
「市民が、市民が」と言うのが好きな議員は多いのですが、請願を提出した市民以外の大勢の市民のことには考えが及ばないのでしょうか。

市民が請願提出うに「紹介議員」を必要としているのはなぜか。
請願を出すことに一定のハードルを設けているのには意味がある筈です。

「権利だから」・・・が社会を良くしてきたか

今、行われている東京都知事選挙。
公営掲示板に貼られた「常軌を逸している」と思えるポスターが物議を醸しています。
しかし、あれも「権利だから」ってことなのです。

認められている権利だから行使する。
権利なんだから使わなきゃ損。

そういう考えが社会を良くしてきたでしょうか。
政治家は権利を大声で主張する人に寄り添うだけではなく、それ以外の大勢の人の利益まで考え、必要とあらば有権者を諫めることだってしなくてはならないと考えます。

市民の意見を行政に伝えることだけが議員の仕事だとしたら、今の報酬は高過ぎます。

昨日もお伝えした小平市の「違法な物品購入」について。
昨日、小平市のホームページに本事件について「公表します」と掲載がありましたが、その内容に驚かされました。

 

大したことではないような書きぶり

記載内容は・・・

議会の議決を経ずに行った教師用指導書の買入れについて
更新日:2024年(令和6年)6月24日 作成部署:教育委員会教育部 指導課

議会の議決を経ずに行った教師用指導書の買入れについて公表いたします。

 平成27年度、令和2年度及び令和6年度に購入しました、小学校の教師用指導書について、小平市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第3条に規定により、予定価格2,000万円以上の動産の買入れに該当していたにもかかわらず、議会の議決を経ずに購入していたことが判明しました。
 当該手続を遡って有効なものとするべく、市議会6月定例会最終日に、当該契約について追認を求める議案を提出する予定です。

契約内容
平成27年度購入分
 契約金額 21,017,772円 数量1,745冊
令和2年度購入分
 契約金額 31,333,060円 数量1,937冊
令和6年度購入分
 契約金額 40,277,600円 数量1,680冊」

と、これだけです。

 

 

全員協議会で配布された資料には「本事態の受け止め」として
議会の議決を経ず法令に反して契約を行い、速やかに事後の対応を行わなかったことはあってはならないことであり、組織的な検討・対応が速やかに行われなかったこと、法令解釈について深い検討が行われなかったこと、市行政に対する市民の信用を失墜させる結果を招いたことを大変重く受け止めています。」と記載されていますし、市長以下、出席した理事者が謝罪会見の様に「申し訳ありませんでした」と頭を下げ、謝罪しました。
「市民の信用を失墜させる結果を招いたことを大変重く受け止めて」いるのであれば、ホームページにも反省や市民に対する謝罪の言葉があって然るべきです。

プレスリリースも同様

昨日、プレスリリース(報道機関に対する市の公式発表)もされたということなので、その内容について教育委員会に確認しました。
プレスリリースについても市ホームページと「全く同じ内容」とのことでした。
事件の矮小化の意図を感じざるを得ません。

透ける小林洋子市長、青木由美子教育長の本音

昨日の全員協議会では、伊藤の質疑に対して、教育委員会が答弁に窮して休憩を取る場面がありました。
傍聴していた報道関係者から聞いた話によると教育長が「とにかく今日は謝罪するしかないから」と囁いていたとのこと。
謝罪し、頭を下げながら舌でも出していたのか・・・。

いずれにしても、市長、教育長が本件を重く受け止め、反省し、市民に対する謝罪の気持ちがあるのであれば、決してあの様な公表にはならないはずです。

議会はどうする?

小平市議会が
「法令を遵守する」ということをどう考えているのか。
市民を代表し、行政をチェックする機関としての自覚があるのか。
今後の議会の対応如何で、それらが明らかになりますので、各議員、各会派の言動を注視してください。