おバカの帝国第10回・レーダー | 夏炉冬扇の長袖者の尉のブログ 

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 いよいよおバカの帝国の真打登場です。レーダーという題を見ただけで、この兵器に対する日本の軍人のおバカさ加減か充満してくる感じです。

 

 1936年に海軍技術研究所の谷恵吉郎中佐がレーダー研究の旨を上に進言するも、「闇夜の提灯」(電波を出すことで自らの位置を敵に教えるだけ)と一蹴されたという話は有名で、「電波を出しながら夜襲に行くなど、高張提灯を掲げて夜討ちに行くようなもの」と具体的におバカぶりを示したとも言われています。

 

 もうひとつ読んだ話で、極東へ回航されることになったイギリス戦艦プリンス・オブ・ウェールズの写真が手に入って、兵科の将校が艦橋の上にある鳥籠のようなものはなんだと造船科の将校に聞いたら、その将校は知らなくて、あて推量で、主砲の歪みを計測する機器でしょうかと答えたというのです。お前は素人かと言いたくなりますが、これはあて推量で答えた本人が、恥ずかしながらと戦後になって書いていたことですから間違いないと思います。技術系の将校でもレーダーを見たことがなく知らなかったのです。

 

 ガダルカナル島を巡る海上戦では、得意の夜戦で、高張提灯を掲げてやってきたアメリカ軍にボコボコにやられます。航空戦では、日本の直掩機は艦隊の上を旋回して、目視で敵の攻撃機を見付けていましたが、アメリカ軍は母艦のレーダーで日本軍の攻撃隊を発見して、無線で迎撃機を誘導するということをやりだしたので、日本機はアメリカ艦隊の上空に到達する以前に撃墜されるようになりました。

 

 海軍は攻撃する武器の量ばかりに懸命になっていたところがあって、同じトン数の軍艦にアメリカよりも1門でも多くの砲を積むことには必死になるが、レーダーとか暗号解読とかいった、直接に敵を攻撃しないものに対しては興味を持たないようなところがありました。痛い目に遭って大勢の人間を死なせて、漸くこっちにもレーダーが要ると気が付く、暗号がバレていたと気が付く、おバカの帝国の一員であることは海軍も同じです。

 

 暗号がバレていたことを知らなかったのもそうで、ミッドウェー海戦の前に日本の暗号にMDという符号がでてくる、アメリカ軍は文の前後からミッドウェーと推測しましたが、あまりにもそのまんまなので疑念を持ち、平文でミッドウェーでは飲料水が不足という偽電を打ったら、日本が暗号を組んでMDでは飲料水が不足と書いてきたので、日本軍の攻略目標を確信したという逸話があります、これで海戦に勝っていたら不思議です。

 

 日本の暗号を解読しているアメリカ軍は山本五十六が前線視察に来ることを知って、待ち伏せて討ち取ろうとします、イギリスがこれをやったら暗号を解読していることがバレるとして反対しますが、アメリカ軍は強行します。日本軍はイギリスが予想した以上にバカで、日本の暗号は完璧だ解読されているはずがない、あれは偶然に出会ったものだとしてしまいます。

 

 このようなおバカの帝国のY染色体は現代のネトウヨに受け継がれていて、このおバカのために現代の日本社会は沈没する事態になっています。