本当に生きがいをもって、
瞬間瞬間に自分をひらいて生きているかどうか。
中略…
たしかに今日の小市民生活は物質的には恵まれている。
くらしは昔に比べてはるかに楽になっているが、そのために生命の緊張感を失い、
逆にむなしくなっている。進歩だとか福祉だとかいって、誰もがその状況に甘えてしまっている。
システムの中で、安全に生活することばかり考え、
危険に体当たりして生きがいを貫こうとすることは稀である。
自分を大事にしようとするから、逆に生きがいを失ってしまうのだ。
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尊敬する、岡本太郎先生の著書である。
出会ってから何度も繰り返し、読んでいる。
そのたびにやすきに流れようとしている自分を発見し、戒める。
読み返すたびに気づきがある。
過去も未来も、ここにはない。
あるのは、今・ここ・自分。それだけである。
ないことに心を砕くよりも、今ある現実を受け入れて、意識を集中させて生きていきたい。
人間一人で生まれてきて一人で死んでいく。
『死』は、普遍的事実だ。
ならば、今日も精いっぱい生きようではないか。
死のことは、死ぬまで心配しなくていい。
死んでしまったら、死ぬことを心配しなくていい。
だったら、最初から心配する必要などないのだ。
失うものは何もない。
『自分の中に毒を持て』岡本太郎、青春出版社
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