経営理念を明確に定めると、一時的に従業員が減ることがあります。
考え方が合わない人は去るからです。
しかし、この状況に臆する必要はありません。強い組織、発展する組織を作ろうとした場合、従業員の士気が高く、進むベクトルは同じ方向であればあるほど、強く、発展する組織となるからです。
当たり前のことですが、具体的な例を挙げて考えてみます。
ある高校で、サッカーの全国大会を目指そうと思った場合、下記どちらがより好成績を残すでしょうか。
【サッカー部8人+サッカー得意3人】
【野球部から来た助っ人5人+テニス部から来た助っ人4人、卓球部から来た助っ人2人】
…考えることもなく、前者ではないでしょうか。
なぜなら、全員が同じ方向を向いてる為です。
しかし、実際の企業を見ていますと意外に後者が多いことに気付きます。
しかも、経営となると、その状況であることが見えずらいのです。
小さな得手不得手、業務を細分化した時に必要な各個人の強みはバラバラでも良いでしょう。しかし、大きな方向性は同じベクトルを向いていた方が良くありませんか?
話を戻しますと、考え方が合わない人はいなくても良い、と線を引くことも必要です。
それが双方の為にとってより良いことだと考えられる局面もあるからです。
もちろん、いきなり解雇する等の暴挙は論外ですが、1人1人、考え方が異なるように、自分に合うところへ行く自由がありますから、合わない人は合う方へ行ってもらえば良いのです。
そして、経営理念を明確に定めますと、採用にも好影響を与えることがあります。
入社にあたって、候補者の人に、価値基準や方向性を提示できるようになるからです。
合うならぜひ一緒にやりましょう、合わないなら他のあなたが合う企業へ行かれた方が良いですよ。これ以上でも以下でもありません。
これが、繁栄する組織作りは理念作りから、という根底にある考え方です。
少しドライな気もしますが、明確に線を引くということは、人事労務問題を未然に防ぐことにつながり、起きなくても良かった問題を未然に防ぎ、悩みを抱える人を未然に減らすことにもつながります。