経営者は孤独である。

 

よく聞く言葉ではないでしょうか。

同じ目線の人が周りにいれば良いものの、やはり経営者には独特の感情が湧くものです。

 

焦り、不安、苦しみ、悩み、辛さ、などなど。

このような感情は、通常ずっとは続かない一過性のものではありますが、決断と施行錯誤の繰り返しである毎日を楽しく過ごすことは、通常、難儀なものです。

 

しかし、なかには、何が起こっても楽しく事業を行っているように見える経営者もいます。

全てを受け止める度量、見えない先(将来)のことで悩まない明るさ。

肝が座っている、幸運、中庸、楽観的、中道、何とも表現しえない感覚ですが、純粋に「生きていること」を楽しんでいる人たちです。

 

個人的には、”生きる”ということに意味をつけ、言葉で色付けするならば、

「生きるとはいまここにいることを楽しむ。ただ、それを味わうだけ。」

これが感覚的に最も近い表現ではないかと思っていますが、過去の人たちも同じようなことを表現していますので、もし、思い煩っている経営者の方がいらっしゃれば、下記の言葉を贈りたいと思います。

 

「一燈(とう)を堤(さ)げて暗夜を行く。暗夜を憂うること勿(なか)れ。只だ一燈を頼め。」

 

長い人生の間には、暗い夜道を歩くような時もありますが、1つの提燈を掲げて歩いてゆけば、どんなに暗くても心配ありません。大丈夫。その1つの灯りを信じて、安心して歩みましょう。

という意味です。

 

「1つの灯り」とは、「志」ではないでしょうか。

 

また、

 

「人も亦(また)艱難辛苦を閲(えつ)歴(れき)すれば、則ち思慮自(おのずか)ら濃(こまや)かにして、恰(あたか)も好く事を済(すま)す」

 

という言葉通り、艱難辛苦を経験することで自然と考えが深く細やかになり、人としての幅が非常に広がる、ことはその通りでしょう。

 

ですから、苦しい時は安心して苦しんでも良いのではないでしょうか。歴史が証明してくれているように、諦めなければ、必ず、”そんな時があった”と言えるようですから。

 

(上記2つの言葉は、佐藤一斉の言葉です。)