リーダー、上司、管理監督者、マネジャー、役員、経営者。

様々な言葉で表現される「上に立つ人」。

 

リーダーってどんな人のことをいうのだろう。

そんな疑問をもったことがある人もいるかもしれませんが、言葉というモノサシで表す限り、そこには限界があり、人それぞれの主観も入りこむ為、今ひとつ不明瞭なことが多いでしょう。

 

では、自社で望む「リーダー像」を考える場合、どのように定義したら良いのでしょうか。

今日はそんなことを、歴史から学びつつ綴りたいと思います。

 

リーダーを一言で表現したものは無数にあるものの、私は今のところ、下記の言葉が一番シンプルでしっくりきていますので、ご紹介したいと思います。

 

言志四録の中でも有名な言葉です。

 

「春風(しゅんぷう)を以て人に接し、秋霜(しゅうそう)を以て自ら慎(つつし)む」

 

意味は、

「春風のように暖かな心をもって人と接し、秋の霜のような厳しさをもって己を戒める。」

 

業務で○○ができる等の知識や経験や技能は別として、リーダーたる”人格”を一言で表せば、このような人がリーダーには向いているのではないでしょうか。

 

叱る時も、その人の為、その先にある企業の為、先の先にある社会の為、を思うから叱る。

その根底には暖かさがある。そんなことが感じ取れるリーダーであれば、人は自然とついてゆくものです。

 

ちなみに、幕末に活躍した山岡鉄舟が開いた剣術道場の名を「春風館」というそうです。

彼もこの言葉に思いを馳せ、大事(江戸無血開城)をやってのけたのではないでしょうか。