見る角度によって同じ立体が全く違う形に見えたり、実際は下り坂なのに上り坂みえてしまったりした事はありませんか。

 

この錯覚を「錯視」と言います。

先日新聞を読んでいたら、錯視のメカニズムを説明していました。


人間が立体の形を認識する過程は
①目に見える立体を、いったん2次元の画像と認識する。
②この画像を基に、脳が立体の向きや奥行などの形を推測し、3次元の立体として復元する。

という2段階にわかれ、②の段階で脳が勘違い起こして錯視が起こるそうです。
では、なぜ脳は勘違いをするのでしょう。


人間の脳には「好きな形」と「嫌いな形」があり、例えば、直角や平面、対称性のある形は好むが、ゆがんだ形や非対称系な形は嫌う。脳が2次元から3次元に復元する際、好きな形を優先する為、実際とは異なる立体をイメージしてしまうそうです。
この錯視を利用したものに、「だまし絵」があります。


また身近なところにも錯視はあります。

上の図は多くの方がご存知だと思います。

ミュラー・リヤーの錯視というものですが、同じ長さの2本の線のそれぞれの両端に線を付け足すと、人間の脳は自動的に奥行きに差を感じ、遠くの線を長く、近くの線を短く感じてしまうそうです。これを利用したのが女性の「つけまつげ」。つけまつげをすると女性の目が大きく見えるそうです。

 

また、交通渋滞や事故にも錯視が関係しているとの研究もあるそうです。上り坂が上りに見えず、知らないうちにスピードが落ちて渋滞を引き起こしたり、下り坂に見えない場所で、ドライバーが減速せず事故になりやすくなります。


女性の綺麗で大きな目に魅力を感じたり、だまし絵を楽しむの良いですが、事故は錯視のせいですと言っても警察は見逃してくれません。

 

師走は皆さん忙しい時期で、仕事や帰省、レジャーに車を運転する機会が増えると思いますが、車の運転の際にはくれぐれもご注意下さい。