そのまま、
さらわれてしまったようです。
おわかれも言えなかったけど、
そんなものね。
最後の日はいつだって覚えていないもの。
でも、
ひぐらしの鳴き声で胸を満たせなかったのは心のこりで、
今も耳をすますけれど、
スズムシが練習を始めてしまった。
花火と浴衣は
来年のたのしみにとっておこう。
このままいってしまう?
熱はもどってくるかしら。
もやもやしたお天気の中にずっといて、そんな時こそあたまがぱっぱらぱーになるワクワクな曲を選べばいいのに、つい思いがこみあげちゃうような曲ばかり選んでしまって、少しセンチメンタルになってる。
それも、ちっとも離れられないでいる。
おぼえられるかな。
ピアノがひけたなら、人生が潤うだろうなあ。
パラレルワールドのわたしは、あのピアノを弾いているだろうか。
命をもらっているだろうか。
うつくしい音。
ありがとう、7月と8月。
しあわせだったから。
あの人がいない夏を、そう思えて、よかった。
涙はもうずっとへったよ。
あらゆるものやことが、いやしてくれたから。
今なら前がどっちなのかわかる。
おやすみなさい、
おやすみなさい、
おやすみなさい。
