面白い

是枝監督映画はさほど好きな方じゃないが、これはよかった。樹木希林はもちろん、安藤サクラの演技、素晴らしい。
演出も個人的には、いつもよりアザトサが控えめで見やすかった。パルムドールも納得の作品だったと思う。
社会的弱者の人たちが一緒に住んでいて、万引きなどしつつ暮らしてる。家族とは、人間の関係とは、社会とはを問うた作品かと。

ネタバレ

最近の是枝監督は、こいつが悪だったのか善意だったのかをウヤムヤにする傾向が強い。樹木希林は善意だったのか?を松岡茉優視点で描いているが、今回のウヤムヤ感は中々の深みがあった。残るのが、空の家を見つめる、少しだけ逆光気味の松岡茉優のシーンはとても切なく、恐ろしく、悲しく、儚くて非常に良かった。

安藤サクラに関しては、ほぼパーフェクトで、取り調べのカメラ目線シーンは、なかなかの圧巻。
樹木希林の事について
「私が拾われたんじゃなくて、誰かが捨てたのを、私が拾った」(正確に台詞覚えてない)
凛ちゃんには何と呼ばれていた?の質問に涙拭いつつ「なんだしょうね」
みたいな、この映画の核心的な事を言うシーンは、普通の役者なら台詞的で異物感が出るのだが、全くそんな事を感じさせない。ここの流れは安藤サクラ及び、是枝監督の凄さだと思った。

ただ、松岡茉優の風俗シーンで使用されるガラスの写り込みで客と松岡を重ねるカットはあざとい。3度目の殺人でも使用されていたが、よくある手法だし、主張が強く感じすぎて、あまり好きではない。