私は学生時代、居候先から徒歩2分の和菓子屋でバイトをしていました。


ほんとは両親からはバイト禁止令が出ていました。
その当時、私は頑張りやだったので、体育会系の部活とバイトをしたら学業が疎かになると思っていたみたいです。
こっそりするつもりが結局バレました。

でも和菓子屋は6時には終わるし、土日しか入れなかったので、バイトが忙しくて部活や学業がストップすることはありませんでした。


和菓子屋では、いくつか規則がありました。
ジーンズはだめ。
ピアス、茶髪、マニキュアもだめ。
三角巾をかぶり、白い割烹着みたいなのを着ていました。
有線をお琴の調べに合わせ、優雅どころかかなりあわただしく仕事をしていました。


そんな私も社会人になり、茶髪にしたり黒髪に戻したり、ネイルサロンに行ったりするようになりました。


見た目をなんとか取り繕ってぼろぼろになりながら仕事をし、でもそれが評価されるわけでもないし、上には上がいるわけだし、むしろみんながやっている当たり前のこと…。
そういうのが疲れたりすることもあったりして。


そしていつだったか、東北の旅館の中居さんとお料理を運ぶ青年のことを思い出しました。
ふたりとも白くてきれいな肌で、笑った顔に悲壮感や疲れが見えませんでした。

毎日温泉に浸かって、きれいな水と空気に囲まれていれば、人間誰しもそうなるのかも。


翻って、私。


昔はほめられていた自分の肌をほめる人はいなくなりました。


ネイルをきれいにしているのが逆に痛々しいというか、無理やりきれいにしている感じ。
それでもそれが自分のテンションを上げるためでもあったのですが、福島のふたりの前では、付け焼き刃のようです。


それがたまらなく虚しくなる時があります。


私が和菓子屋でバイトしていた時って、どんな感じだったんだろう。
あの頃は、すっぴんだったし。


私が福島で感じたものをあの頃は持っていたのかな。


戻ることはできないけど、自分の引き出しにそういったピュアな部分は残しておきたいです。


忘れないためにも、素朴というか自然というか、そういうのに触れていないと。


まずは休日ちゃんと休まないと。