中学入試の準備は直前だけではない

 

  中学入試の準備は子どもだけが勉強すればいいというものではありません。持ち物を一緒に用意するだけでもありません。保護者は予め色々なスケジュールを組み立てて実行していく必要があります。

 

① 夏休みに遠方のホテルの予約

  東京の中学校は2月に入試がありますが、1月に行われる埼玉や千葉の学校で実地訓練の意味で受験をすることが多いです。東京から埼玉・千葉の学校に当日移動するとなると、起床時間が4時半とか5時になってしまい子どもの体調が心配という家庭では予め受験する中学に近いホテルを予約しましょう。同じ日程にかなりの人数が予約を取ろうとしますので、直前になると近隣のホテルはいっぱいです。希望の立地の希望の部屋を取りたければ、夏休みまでに予約することをお勧めします。

 

② 11月~12月にインフルエンザの予防接種

  受験シーズンはインフルエンザの流行時期です。せっかく頑張ってきたのに当日インフルエンザにかかってしまっては後悔してもしきれませんので、年内に予防接種を受けましょう。子どもは大人と違って2回接種が基本ですので、1回目を11月、2回目を12月に受けると1月の埼玉受験の頃には免疫がついています。かかりつけのお医者さんと相談をして、できればあまり混んでいない時間帯(病院には病気の患者さんがいらっしゃるので受験生にうつらないようにするためです)に注射をしてきましょう。もちろん保護者の方の接種も忘れずに。大人は1回接種ですので子どもの2回目と一緒に打ちましょう。

  中には予防接種をしても心配で、予防のため2月の受験の間にタミフルを服用する家庭もあります。この場合は実際にかかっていない人に処方してもらうわけですから保険が効かず、全額自費になります。

 

③ 11月~12月に女の子の生理対策

  小学校6年生の女の子はいつ生理が始まってもおかしくありません。すでに初潮を迎えている子どもも不安定な周期ですし、まだ始まっていない子どもも体が大きくなってくるといつ来てもおかしくありません。入試ではプレッシャーを大きく感じますので、こんな時に限ってやってくることがたまにあります。ただでさえ入試では緊張しますので、余計な心配はできれば避けたいものです。

  心配だからどうにか入試のときの生理は避けたいという方は子どもと一緒に婦人科を受診してピルをもらってみてはいかがでしょう。初潮を迎えた子どもでも、そうでない子どもでも事情を話せば一緒に対策を考えてもらえます。入試の直前に行っても遅いので、まずはいつ受診すればいいのか10月下旬から11月初旬に電話で相談してみるといいと思いますよ。

 

④ 12月から起床就寝時間の調整

  1月2月の入試のときには遅くとも朝6時に起きることになりますが、普段7時に起きている子どもを突然6時に起こすと体に負担が大きくなります。12月から少しずつ就寝時間と起床時間を前倒しし、睡眠時間を減らす事なく受験の日と同じ生活リズムにしていきましょう。

 

⑤ 12月に受験校への交通手段を確認
  年末年始のダイヤを避けて、入試と同じ曜日、同じ時間帯に会場まで行ってみましょう。会場にギリギリに到着することを避けたいため、それを踏まえて出発して下さい。そして道中の記録をつけて下さい。何時の電車、バスに乗ったのか、結局最後の駅から何分歩いて何時に校門に着いたのか。この情報を基に、入試当日の出発時間を決めましょう。ポイントは、自宅最寄り駅、乗り換えの駅、それから会場最寄りの駅のどこにトイレがあるのかを確認することです。当日は子どもは今までにない緊張を感じて突然お腹を下すことがあるので、そんな時でも冷静に対処できます。

 

⑥ 12月に常備薬を準備

  入試直前に体調を壊さないようにギリギリになってから健康な子どもを病院に行くことは避けましょう。アレルギーの薬のように毎日飲んでいるような薬や、いつもお世話になっている頭痛薬、整腸薬、目薬などは2月入試が終わるまでの分をできれば年内に準備しておきましょう。

 

  受験生を持つ保護者も受験生同様に万全な対策を取らないといけないので大変ですが、できるだけ平和に健康に入試を迎えられるよう願っています。