みなさんこんにちは (^-^)/
ITOKENの伊藤です。
今日は日射取得と日射遮蔽に関して・・・。
といいましても、私は所詮工務店の住宅営業・・・。エネルギーや、パッシブ、設計に関しての知識
はさほどございません・・・。
何度も言いますが、私は今までの経験のみを参考にして自分の家を造りました (^-^)
ですので、かなり邪道な施工もしております・・・笑
その一つが、日射取得に関して。
我が家の外観をあらためてご覧頂きましょう。
我が家は南道路に面しております。上の写真が建物の南側です。
お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、掃出し窓(テラス窓)がありません。
おそらく窓の面積的には、普通の家の南面の窓の半分程度でしょうか?
ただし、東南の角の部分は吹き抜けになっており、吹き抜けの東側からかなり
日差しが入るような設計となっております。吹き抜け東側のFIX窓はほんとはもっと
大きくしたかったのですが、サーモスXはあまり種類がなくて・・・。
一階に掃出し窓をつけなかった為、業者さんが物を搬入するのがとても大変でした・・・(^o^;)
最近は、パッシブハウス的な考えで、冬場の日射取得を多くするべく、やたらと南面を
窓だらけにする図面や、実際の建物を目にします。そしてほとんどの方が口を揃えて同じ事を
おっしゃいます・・・。
「トリプルガラス採用したんだけど、南面だけはペアガラスにしたんだよね~」
気持ちはわかります。雑誌やネットで今散々そのような日射取得の話しが出ていますから・・・。
そりゃその方が冬は暖かいですよ。私も経験していますからわかります・・・・。
どこで経験したかといいますと・・・
以前住んでいたアパートです 笑 。退去の立ち合いの時に写真撮ろうと思って完全に忘れて
ました・・・ (x_x;)
新築の2×4のアパートで、12年住みました (^-^) 皆に驚かれたのですが、なんと天井
高が約5メートル・・・。リビングとダイニングだけですが。そしてそれに伴って窓もとても
高かった・・・。カーテンの長さが約4mほどありましたから、訪問者は皆ビックリです。
いわゆるデザイナーズアパートですね。日当たりもこの上なく最高な立地でしたので、
冬はとても暖かかったです。2DKを5キロのエアコン1台の暖房だけで12年過しましたから。
ただ、さすがにアパートなので断熱性はサッシ、壁、屋根、全て最低限でしょう。冬場の電気代
は3万円を超えました。オール電化アパートだったのですが、その当時はもちろん電気温水器。
そりゃ電気代は高くなりますね。しかも暖房期間4か月間くらいつづきますから、家計費をかなり
圧迫してました。断熱性能さえもっとよければ、おそらく無暖房でいけるくらいの日射取得の量
なんですけどね~。保温力低いので、日が沈むとすぐに寒い家に様変わりしてました。
ですので、日射取得優先による冬場の暖かさは凄くよくわかります。じゃあなぜ家を建てる
ときに同じようにしなかったか・・・。
いくつかありますがまず一つめ。
① 東日本大震災の被害で、当時勤めていた会社の施主の家の損壊状況を見て・・・。
これが意外と触れられていない・・・。私が実際目にした損壊のひどかった家の共通の特徴・・・。
それは南面だけサッシが飛び出して外れていたり、外壁がひび割れている・・・。というもの
でした。これは考えればわかります。家って昔から南面には窓沢山あるんですが、北側には
あんまり窓ないんですね・・・。そうです、簡単です。家のバランスがおかしいんです・・・。
残念なことに、いくら構造計算をしてクリアしていたとしても、北面と南面の耐力壁のバランス
までは一般的にほとんど考慮しないんです。構造計算なんて所詮その程度の基準です。
なので、長いスパンで考えて、耐震面を考慮したというのが一つ。そして二つめが凄く重要・・・
② 夏めちゃくちゃ暑かった・・・。
先程お話ししたアパート。冬はいいんですが・・・。 夏は地獄でした・・・ (x_x;)
夏場の日中留守にして帰ってくると、とてもじゃないけど入れない状態・・・。40度を超えている事
が多々ありました。そりゃ仙台の最高気温は2014年で35.4度。日当たり良ければそんくらいに
もなりますよね・・・。気象庁のサイトで比較するとよくわかりますが、いわゆる地球温暖化・・・。
実際昔と比べてみるとよくわかります。興味のある方は是非気象庁のサイトへ。ほんとに暑くなっ
てるんですね・・・笑 ということはどちらかというと夏場の暑さ対策を重視した方が良いかと思い
南側の窓は最低限に。ただし、冬場の日射取得もできるように吹き抜けには大きな窓を採用した
ので、そこには流行りの「外付けブラインド」 まだ全く活躍はしておりませんが、来年の7月くらい
からは大活躍してくれるものと期待しています。南面に窓を大きくとっている方に限って、この
日射遮蔽を怠る・・・。外付けブラインドもそんなに安くはないので気持ちはわかりますが・・・。
要はですね、高気密高断熱に徹底すればするほど、夏暑い。これはもはや常識ですよね。
当然です。日射取得で得た熱を夏場でも保温するんですから・・・。せっかく冬場の暖房代を
安くできても、夏場の冷房代でその分かかってしまっては本末転倒・・・。ですので、あくまでも
冬場の無暖房を目指すのではなく、程よく暖房費と冷房費を両方おさえる。私はそれを目指し
ました。持論ですが、夏場の暑さって、日射のせいだけでもないですよね?あのアスファルトの
熱さといったら・・・。我が家の目の前はすぐにアスファルトの道路です。そして敷地も狭い為、
南側の敷地は全てコンクリートの駐車場・・・。そうなると輻射熱によって地面の熱が涼しい夜に
なるとどんどん放射されるんです。輻射熱というんですが、これは物から物に電磁波で
伝わってしまうので、いくらブラインドをつけてもほとんど意味がない・・・。
ということで、私は一階南面のサッシを低い位置にはつけなかったんですね。南面の庭が全て土
という環境であれば気にしなくて良いんですけどね。なので、当然建築地の条件にもよるのです
が、庇(ひさし)や、ブラインドだけで日射遮蔽を考えても、夏場の暑さ対策は不十分なのでは?
と私は考えます。
そして最後三つめ・・・。
③ レースのカーテンしてたら窓大きくしても意味ないのでは?・・・・・笑
南面の窓を大きくしたがる方が多い理由として、やはり解放感というのもあると思います。
たしかに、壁よりも窓の方が解放感ありますね。でもどうでしょう、立地にもよりますが、
ほとんどの家が昼間でもレースのカーテンしてませんか?・・・笑
私、ずっとあれが疑問だったんです。レースのカーテン・・・。結局外見えない・・・笑
まぁ壁よりは日光は入りますね。でもそんなに解放感違うだろうか?・・・(^o^;)
なので、我が家の一階の南面の窓は、フロアの高さからサッシの下端が1400mm
にしました。こんな高い位置に窓の家、未だかつてお客様にお建てした事はなかったです・・・笑
この高さだと、女性の割には長身なカミさんでも顔が出る程度です。私でも胸元くらい。
外から見ると、地面からサッシの下端までの高さは約2000mm! ほとんど中見えません!
実際この計画にあたり、間取りをカミさんと相談している際に散々反対されました・・・(^o^;)
「私はもっと解放感が欲しいの!!!」 と妻。
「でもね、目の前道路なんだよ?人も沢山通るし、窓おっきくしてもずっとレースのカーテンだよ?
だったらレースのカーテン必要ない高さにした方良くない?」と私・・・。
最終的に納得はしてもらえませんでしたが、そこは強行採決・・・。ちなみに一階リビングには
東西どちらも窓一つもありません・・・笑。南面の窓だけです。だって東隣の家の玄関あるんです
もん・・・。窓あったらお互い気になりますよね?
で、住んでみてどうか・・・。 カミさんようやく納得してくれました (^-^) 笑
極端な話し、レースのカーテンしなくても裸でウロウロ出来るんです。そしてなによりも
明かりは充分吹き抜けから入るし、解放感も全く問題ないとのこと。良かったです。これで
納得してもらえなかったら、死ぬまで文句言われますからね・・・(x_x;)
結論から言いますと、パッシブハウスというのは、基本的に建築地まできちんと選択、そして条件
を考慮されて建てられているんです。ですので、参考にするのはとてもいいんですが、立地によっ
て逆効果になる事も多々ありますので気を付けましょう!
私が常に思っている、家造りでなによりも大事な事は、
全ての既成概念を一度取り払う!
そして自分の生活スタイルを今一度良く見直す!
それではまた次回 (^O^)/