今回はZermeloの整列定理から選択公理を証明します。
選択公理は次のように言い換えることができます。
Aを任意の集合とする。
Aの空でない部分集合全体の集合をRとすると任意の元M∈Rについてf(M)∈Mであるような写像f:M→Aが存在する。
これを示します。
(証明)
Aを任意の集合とする。
Zermeloの整列定理により(A,≦)が整列集合となるA上の関係≦が存在する。
MをAの空でない部分集合とする。Aは整列集合だからminMが存在する。
関数f:R→Aをf(M)=minMと定めれば条件は満たされる。
(証明終)
前回、ツォルンの補題からZermeloの整列定理を証明しましたがこのとき選択公理は用いていないのでツォルン→選択公理の証明が完了しました。
以上より選択公理とZornの補題の同値性を示すことができました。
今後はnoteに移って積分問題を掲載していこうと思います。
また選択公理とZornの補題の同値性を示したものをtexで打って完全にしてから掲載するのでそちらの方もよろしくお願いします。
では、源義経に感謝。
参考文献
・『集合・位相入門』、松坂和夫
