チキン・ミッシェル3週目。 | 創作団だいだらぼっちの越境型もののけ思考とその動向。

チキン・ミッシェル3週目。


創作団だいだらぼっちの越境型もののけ思考とその動向。-piyo3

鶏たちはその後、一応元気だ。“一応”っていうのは、実はまた1羽、ちょっと元気がない子がいるから。




この子たちがだいだらぼっち(仮名)に仲間入りして早3週間。生後約1カ月というところだろうか。体つきも大きくなって、白っぽい産毛に混じって茶色いしっかりした羽が増えてきた。


ところが、面白いというか当り前というか、体格や成長具合にはかなり差があるのだ。目に見えて成長している子が数羽いる一方、ほとんど大きさが変わらないような子もいる。








 創作団だいだらぼっちの越境型もののけ思考とその動向。-ぴよ1
2週間前。大きさはどれもあまり変わらなかった。



                創作団だいだらぼっちの越境型もののけ思考とその動向。-piyo5
                      これも2週間前の様子。



               創作団だいだらぼっちの越境型もののけ思考とその動向。-piyo4
               ・・・で、これが現在。個体差がわかるだろうか。

               左下にいるのが一番チビで、最近元気がない。





生き物なのだから、よく考えるまでもなくそれは当り前のことなんだけれど、成長がそろっていないと、やっぱり見ていて心配になってしまう(元気ないのかなあ、とか)。




そして、これが「生産業」として「扱うモノ」なら、成長の度合いや規格は、当然比較にならないほどの厳しさで重視される。

不揃いでは確かに不具合が大きいから、特に大規模・集約型になるほど、あの手この手で成長を人工的に操作する。


過密なゲージに詰め込み、光も新鮮な空気も遮断し、卵を産むために最も効率のよい餌と薬のみを与え続ける“通常の養鶏”は、知識では知っていても、実際の“肉や卵を生産する現場“を目にすると、やっぱり「怖い」景色に感じる(そして、現在発生している新種のウイルスの多くが、そういった集約型畜産の場から発生していることは、もっと広く知らされるべきじゃないか)。


けど、“一定期間”で“同規格”のモノを“規定量”生産することを絶対条件とするのは、畜産業に限らない。農業も当然、同じだ。

北海道の代名詞ともいえる広大な「ジャガイモ畑」とか「トウモロコシ畑」とか、あれはちょっと視点を変えてみれば、ゾッとするような“不・自然”で“人工的”な景色だ。

そこまでいかなくても、農地ってのはそもそも“自然”ではない(生態系としてもものすごく不安定な上に、個々の生物体として弱いから、薬づけにしなきゃならないのも同じ)。



種子の発芽だって、不揃いだと「異常か?」ってつい思ってしまうけど、本来生物的には、不揃い=多様な方が良いはずなのだその方が様々な環境で生き残っていける。揃いがいいってことは、簡単に滅亡するってことだから。




そこらへんの感覚が、僕らはもう、狂ってしまっている。

正しいとか間違いとかじゃない。そんなことは決して言えないし、答えなんてない。けど、せめて何が“異常”な状態なのかはわかっていたいと思う。


農業に対し、安易に「自然」なんてイメージをかぶせるべきじゃない。“農業(含畜産)は基本的に「不自然」であり、「反自然」”だ。

そこを自覚した上で、どういう方法で自分たちの食べ物を得るかを考えたいと思う。


つまり、“自覚と覚悟”を持ちたい。









・・・話が大きく飛んでしまった(鶏も結構、飛ぶよ!)けれど、てなわけで、成長がマチマチなのは、だいだらぼっち(仮名)としては悪くはない。ただ、1羽、あまりに成長が遅くて元気がない子がいて、餌もあまり食べないし、動きも良くないし、やっぱりかなり心配なのだった(でかくてよく食べる子は何故だか好奇心も強くて人なつこく、小さくて弱いのに限って非常に怖がりなのも、面白い半面、自然のシビアな一面を感じさせられる)。





何にせよ、ゆっくりでいいから、みんな元気で大きくなりますように!





   創作団だいだらぼっちの越境型もののけ思考とその動向。-piyo5
この子が元気ない。弱ってるのが全身から伝わってくる。






*蛇足。10羽くらいまでの少数飼いは、個体識別できちゃうのが(最後に食べることを考えると)つらい。だから、(ペットではないし)個体には名前はつけず(個体識別もなるべくしないようにして)、全体をチキンと呼ぶようにしている。チキンは鶏にあらず。チキン=鶏肉だ。そして、チキンと言えば、梅図かずお『14歳』の「チキンジョージ」か、ミッシェルガンエレファントのアルバム『チキンゾンビーズ』しか思いつかなかったので、彼女たちの名前は「チキンミッシェル」ちゃん(さすがに“ゾンビーズ”はないな、と良識ある判断をした私)。