2011年4月末、震災後に始まったこの番組。
病院に入院している患者さんのためのリクエスト番組。
亡くなった父の入院中の出来事から、「ラジオで患者さんのチカラになりたい」―そう思って企画制作しました。
企画をしたものの、病院のみなさんや患者のみなさんに受け入れてもらえるのか、不安でいっぱいでした。
幸いなことに、理解ある心優しいスタッフさんのご協力や、
当時入院されていた患者さんのおかげで、3年ちょっと続けることができました。
白いポストに入れられたメッセージとリクエストを、音楽のチカラを借りながら紹介していく日々。
ラジオのシンプルな形。
このキャッチボールで、多くの素晴らしい出来事が。
『ある女性の誕生日。同室のみなさんからのサプライズリクエスト。リクエストがかかったとき、その女性をはじめ同室のみなさんで号泣・・・』
『いつもお見舞いにきてくれる旦那様へ感謝の気持ちと曲をプレゼント。
同じタイミングで旦那様からも奥さま宛てにメッセージ&リクエストが!?』
など、たくさんの温かい気持ちに触れ、溢れてくる涙をこらえながら収録することが多かったな。
退院した後も、番組のことを応援してくださり、手書きのメッセージをリクエストボックス付近に置いてくださった患者さん。感謝感謝でした。

嬉しいコトバや想いもいただきました。
「毎週みんなで番組を聞くのが楽しかった。もっと入院していたかった」
「伊藤さんの声の薬に癒されています」
「人との付き合いが苦手だった私が、この番組を通して、新しい仲間と出会えた。退院後も交流があり、この番組が私にとっての人生のターニングポイントになった」
「この番組を通して、ラジオを聴く習慣ができた」
などなど、コトバの宝物ばかりです。
父の死から学んだこと
『悲しみの中には、幸せの種があって、時間という薬によって、その存在に気づき育てていくことで、いつか自分の誰かの笑顔に変わっていく』
その意味が、この番組を担当したことで、より深く理解できるようになりました。
お付き合いいただいた、ご協力いただいたみなさんのおかげです。
ありがとうございました。
これからもみなさんのことを陰ながら応援しています。
これからも、どうぞ、よろしくお願いします。
「Izumi Heart Station」パーソナリティ 伊藤智瑛子
