『赤と青のガウン』の読書記録です

女性皇族による英国留学記。


あまり私らしくないチョイスなのですが、着付けを学ばせていただいた(現在新規の着付け指導募集は行われておりません)マナー講師の末永先生がご紹介されていて興味を持ちました。



その後書店でランキング上位の棚にあるのを見つけ、話題の1冊なのだと認識したのですが、きっとそれを見ただけでは「私には関係ない本」として視界から除外されていたと思います。



あぁ〜これはもしや、夫に対して「今の子どものアホ行動なんでアンタ気づかなかったのよ」と思うあれ

畳んだ洗濯物のそばで遊び狂う息子に「そこであそぶな!」と言っているあれと同じことなのでは…と気づき、

「同じ景色を見ていても人によって見えてるものは違う」ことを改めて学んだのでした。



さて気にはなりつつも書店で文庫本を購入することに抵抗感のある私(物を増やしたくない)。

図書館の予約もとんでもない数だったので、ほとぼりが冷めた頃に…なんて思っていたのですが一向に冷めない!


他にも魅力的な本がたくさんある中、こちらにこだわる必要はないだろうと他の作品を楽しんでいたのですが、一冊読み終わり次の作品を選ぶときに毎回本書が頭をチラつく…



もう早よ読めや!!

という自らのツッコミについに従うことを決意し、書店での購入に至りました。

するとTODOリストにチェックマークをつけたような達成感を味わうことができ、頭と心の断捨離ができたなぁと思いました。


物が増え、心は軽くなる。

なかなかおもしろい事象だなと思いました。



はい、ここからやっと本書にふれていきます笑い泣き


大変申し訳ないというかお恥ずかしいことに、皇族について無知な私は彬子女王を存じ上げておりませんでした。本書を手にして写真を拝見すると「そういえば皇族の中にやたらと小柄な女性がいたような」と思い出すことはできたのですが、留学されていた当時に耳にしていたはずの報道を、それこそ興味のないものとしてスルーしていたのだと思います。



そんな私なので、皇族としての生活を想像したこともなかったのですが、「生まれて初めて一人で街を歩いたのは、日本ではなくオックスフォードだった」という一文には色々な想いが含まれているように感じました。

どう感じるかは人それぞれだと思いますが、私は「皇族としての生活は不自由である」という気持ちが含まれているのではと受け取りました。



その一文ように、

直接表現せずとも心情を感じられるような文と、逆に具体的な感情表現や情景描写とが計算されているのか、

皇族としての生活もオックスフォード大学についても1ミリも想像することができない私でも、親しみを持って読むことができました。



また、英国には先進国のイメージを強く持っていましたが、遅延があたりまえという交通機関の話、外食には期待できないという食事の話、溜めた水で食器の洗うという話など、日本では考えられないような文化のエピソードに驚きました。

日本人にとって庶民でさえ当たり前のラインが当たり前ではない外国の環境に馴染んでいかれた彬子さんの人間性の高さを感じました。



ついつい留学中の日常生活や交友関係に興味がわいてしまいましたが、博士号取得の過程がどれほど努力を要するものだったかということももちろん記されています。



これほどまでの努力をしなくても、皇族としてのお勤めを果たすことはできるはずなのに、苦しい思いをしながら快挙を成し遂げる…大変立派なことですよね。


努力をする前に何かのせいにしたり言い訳したりして行動をためらい、低く設定したハードルを越えて満足感を覚えてきた自分はなんて甘かったんだろうと思い知らされました。



今後、皇族の方々のお姿を拝見したときには、

国を担う立場として生を受け、それが前提の生活をされているという背景に想像を膨らませ、これまで以上に尊敬の気持ちを持っていこうと思いました。



多くの学びと刺激を受け、これまで知らなかった世界を知ることができる。そんな読書の醍醐味を味わうことができ、楽しい読書期間となりました。



私のように皇族や留学生活に興味がなくても楽しめるはず。

個人的には未来ある中高生にぜひ読んでみてほしい!自然と喝の入る一冊ですチュー





過去の読書記録もよかったらのぞいてみてください