桃は古代では、邪鬼悪霊を祓う呪(まじない)の道具とされていた。ひな祭りに桃が登場するのも邪鬼祓いのためである。

 

 陰陽道(おんみょうどう)では、「木火土金水」という五元素の中で、金はもっとも堅固で強く、邪鬼悪霊に打ち勝つ力をもっていると考えられており、桃を金果としている。

 だから、孫悟空は天界の金果を食べたため、仙猿となり三蔵法師のお供をして、妖怪退治をする宿命を背負うのである。

桃太郎も、陰陽道の考えをもとにして生まれたという説がある。であれば、桃という金果から生まれた桃太郎は、鬼退治の宿命を背負うことになる。


 ところで、陰陽道では、金の方位を西としている。西は干支でいえば申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)の方角だ。

だから、猿・きじ(鳥)・犬をを家来にすることになったのかも。