きのうの夕方、私は雑誌の原稿の締め切りに追われ、編集部にいました。
その頃、会社ではたくさんの電話が鳴り、大忙しだったようです。

原因は
午後6時前に発表された「栃木県記録的短時間大雨情報」。
    17時30分 宇都宮市付近で約110ミリ

そんな雨が降ったの??との問い合わせが放送局から相次いだそうです。

この情報はどんなものか…気象庁のHPでも説明していますが、
私も説明してみます。

①まず、雨量を測るのはアメダスなどの地上にある雨量計
 でも、設置地点が(例えばアメダスだと17キロくらい)離れているため、
 アメダスの観測地点以外で降った雨の量は測れません。
 →計れる所はきちんと計れるけど、計れない空白地点が多い。

②一方、雨雲レーダーは雨雲や雨粒に当たって返ってきた電波の強さで、
 雲全体の様子を隙間なく把握できます
 でも、地上まで落ちてきている雨か、浮かんでいる雲かの判別はできません
 →雨を降らせそうな雲全体はわかるけど、降っているかは不確定。(下図)
レーダー凡例











この①と②を組み合わせたのが、記録的短時間大雨に使われる解析雨量です。

降りそうな雲と、実際に降った雨の量から、
観測していない場所の雨の強さもわかるのです

「降った」と断言できないけど、
「降ったとみられる」くらいのイメージです。


そして、
これは数年に一度くらいしか発生しないような激しい短時間の大雨だ!
となったときに、各気象台から発表されるのです。


この情報が発表された付近では、大雨による災害が発生する恐れがあります。
避難したり、その後の気象情報に注意するなどの防災活動に役立ててください。

ちなみに、①実際に降った場合 ②降ったとみられる場合 の2パターンの情報があり、
区別の仕方は、
情報に「付近」と「約」があれば、②のパターンです。

だから、昨日の宇都宮は、雨量計では観測していないけれど、
そのくらいの雨が降ったところもある…
ということです。
昨日、宇都宮の気象台で実際観測されたのは34.5ミリ。
→1957年の8月7日に100.5ミリという雨が実際に降っています。

ちょっと、誤解しやすい&わかりづらい情報ですが、
これからの季節はたびたび出る情報です。

きょうも午後から要注意!