キーワード:医療訴訟,相当程度の可能性,慰謝料
前回,前々回と損害賠償請求における因果関係についてお話しました。
テーマとしたきっかけは,千葉地裁が3月25日に言い渡した医療訴訟判決です。
痔の日帰り手術後,患者さんが痛みを訴えて病院に搬送されてきて,その後患者さんは敗血症で亡くなったケースです。
裁判所は,痔の日帰り手術後痛みを訴えて病院に搬送されてきた患者に対し,医師は血液検査すべきであったのに,血液検査を怠った過失があると判断しました。
過失があるとの判断は報道の限りでは合理的です。
問題は因果関係および損害額に関する記述です。
朝日新聞デジタル版は「血液検査をして重篤と判断していれば,生存していた相当程度の可能性があったとして約4600万円の支払いを命じた」と報じています。
前回書いたように,「相当程度の可能性」のケースでは死亡慰謝料数百万円が上限で(200万円程度が最多),死亡慰謝料と弁護士費用以外の損害費目は認められません。
そのため約4600万円は「相当程度の可能性」事例にしては賠償金額が高額過ぎないかと思い,取り上げてみました。
判決文を見てみないと何ともいえませんが,新聞報道とは異なり因果関係が認められたケースかもしれません。