入院9日目の4月19日。






前日先生から聞いた血液検査の結果で、甲状腺エコーと心電図の検査をすることになっていた。




午前中に看護師さんが呼びにきて、車椅子で心電図の検査に連れていってもらった。


あっという間に終わった心電図。




甲状腺エコーは午後3時の予約だったので、それまで病室で待機。



で、その前に看護師さんの径腹エコーに呼ばれて診察室へ。





その日の担当の看護師さんともう一人の看護師さんの二人で、いつものようにエコーを見せてくれました。






すると………





えっ…


心臓が動いていない…





いつもピコピコ動いている場所に、何もない…





看護師さんも気付いたのか、

「もう一人はどこかなぁ~…」




二人目がなかなかみつからない…



羊水が無いせいで、映像がみずらくなっていて、看護師さん見つけることが出来ない…。




「あ、これが心臓かなぁ…」





違う。

そんなんじゃない。

赤ちゃんの心臓はそんなんじゃない。





毎日見てるから、私にも分かる。



それは心臓じゃない…。






しばらくして診てくれていた看護師さんが

「もう一人呼んできますね~」

と出ていった。





私の心臓はバクバク…。


そして気持ちが悪い…。






ベテランぽい看護師さんがきて、またエコーをみてくれた。





しばらく見て

「先生にちゃんと診てもらいましょうか」



と笑顔で部屋を出ていった。





先生を待ってる間も


「何かの見間違いかも…先生がちゃんと診てくれたら、二人の心臓も動いてるかも…」




と、かすかな希望を持ちながら先生を待った。





看護師さんに呼ばれて先生がすぐ来てくれた。



「はい、○○さん、じゃあ診てみましょうかね~」



と少し明るく入ってきた。



多分気を使ってくれたんだろう。





静かに画面を見ながら、一人一人じっくり診てくれた。




でも私はもう怖くて画面が見られなかった…。




数分後

「○○さん、赤ちゃんの心臓が止まっちゃってる…」



「二人とも?」



「うん、二人とも…」





やっぱり先生が診ても変わらなかった…。




私は顔を覆い隠して泣いた…。




先生が

「お部屋で少し休んでいてください」

と優しく言ってくれた。






やっぱり動いていなかった…



私のせいだ…



私が安静に生活していなかったから…



私がちゃんと体調管理していなかったから…


 



涙が止まらなかった…




声を出して泣くことは昔から出来ず、声を圧し殺して泣き続けた…。





心臓が止まってしまった二人が入っているお腹を、怖くて触ることが出来なかった…。





周りの看護師さんもみんな泣いてくれていた。



「○○さんの家に生まれてきたら、絶対幸せなのに…」




そう立ち会っていた看護師さんが言ってくれた。






私は知り合いの看護師さんを呼んでもらった。




しばらくするとドアが少し開いて、その看護師さんが来てくれた。





「赤ちゃんダメだった~…」

「心臓止まっちゃった~…」




精一杯のセリフだった。






看護師さん達がお腹をさすりながら、沢山二人に話しかけてくれた。





いつまでもここにいちゃいけないよね…


早く部屋に戻って、パパに連絡しなきゃ…





「部屋に戻ります…。パパに電話しなきゃ…」




と何度も言うと、看護師さんが


「大丈夫ですよ。ご主人には先生が連絡してくれてるので」





あぁ…そうなんだ…先生が電話してくれてるのか…。




自分の口から伝えなきゃいけないと思っていたから、有りがたかった。