昨日の記事だが、これはとても気になる:




ロシア、北朝鮮の債務帳消しへ=110億ドル、年内にも
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110914-00000162-jij-int


”14日付のロシア紙イズベスチヤは、財務省筋の話として、ロシアが旧ソ連から引き継いだ北朝鮮の債務110億ドル全額を帳消しにする方針であると報じた。年内にロ朝間で正式合意する可能性があるとしている。
 北朝鮮の対ロ債務問題は両国関係発展の障害になっているとされ、ロシアは解決を契機に北朝鮮との経済協力を加速させたい考えとみられる。
 同筋によると、ロシア側は債務の90%を完全に帳消しにする一方、10%相当を北朝鮮領内での共同経済プロジェクト実現に活用する枠組みを提案。北朝鮮側もこの案に同意したという。”



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ソ連がロシアに変わってもロシア人自身が変わった訳ではない。どう考えてもロシア人が気前よく債務カットを合意する筈がない。もちろん、110億ドル(いくら円高でも1兆円近い額だ)の債権といっても、北朝鮮が返せるはずもなく、時価評価すればさぁせいぜい何割?という感じだが、それ以上のメリットが無ければロシア人はサインなどしない。



問題は、では見返りに得るロシア側のメリットは何か?ということだが、とうぜん、上記記事にあるような「共同経済プロジェクト」などは表向きのお飾りに過ぎないだろう。



考えられるものとして:



・ 北朝鮮の一部地域の、ロシア側の軍事利用


・ 北朝鮮内の核物質やレアメタル等の地下資源の権益



などが考えられる。



率直に言えば、国連安保理決議違反状態を継続したままの北朝鮮とこのような合意に至ること自体が噴飯ものではあるが、まぁそうはいっても国際政治だ。仕方ない。



もちろん、他人事ではない。こういう緊密な関係に立たれて6か国協議に望まれても、やはり爪はじきにされるのは日本になる。



こういう極めて困難な外交状況において、民主党政権に委ねられるか?



・・・ ってことを、本来、国民は考えなければならない。